自然吸気の5リッターV8を楽しめるクーペ
2018年にも一部改良が行われ、エクステリア、ライト類、インテリアをリフレッシュ。サスペンションも改良されている。
翌2019年のマイナーチェンジは大幅な改良となり、軽量化(20kg)、新タイヤ、各部の剛性向上、出力アップが施されるとともに、RC Fにはさらなる高性能バージョンの「Performance package」を新設定。エクステリアにはカーボンパーツがふんだんに奢られ、軽量な鍛造アルミホイール、チタンマフラー、カーボンセラミックブレーキなどの採用(一部OP)で、約70kgの軽量化を実現している。
レクサスRC F Performance package(MY19)画像はこちら
2020年の一部改良では、ボディ剛性の向上、バネ下重量の低減、安全装備の充実が目玉。電動パーキングブレーキ&オートブレーキホールド機能、レーダークルーズコントロール、ブラインドスポットモニター、リアクロストラフィックアラートなどが全車に標準装備されている。
2022年にも一部改良が行われ、足まわりの最適化、ワッシャ付きハブボルト採用のホイール締結方式、新デザインアルミホイールの採用、F SPORTのENKEI製アルミホイールの新設定などが行われている。「Lexus Safety System+」は、昼間の自転車運転者、夜間の歩行者などにも対応。レーダークルーズコントロールではカーブ速度抑制機能が追加されるなど、先進運転支援機能の拡充が大きな特徴にもなっている。
レクサス RC(MY22)画像はこちら
2023年10月にはRC Fの特別仕様車として”Enthusiast(エンスージアスト)”と”Emotional Touring(エモーショナルツーリング)”を発表。各25台ずつの限定であり、抽選販売方式となった。また、同月、北米ではRC F “Track Edition(トラックエディション)” が発表されている。カーボン製パーツや日立製ダンパーなどが奢られたさらに”本気”なスポーツモデルである。
レクサスRC F Enthusiast画像はこちら
そして2025年1月16日、レクサスはRC、RC Fの生産終了を発表。2014年からの11年の歴史に幕を閉じることになった。この先、RC FのV8エンジンがもたらす大排気量にして高回転まで軽やかにレスポンシブルにまわるNAエンジンのパンチ、気もちよさ、官能的ともいえるエンジンサウンド、意のままに操れるハンドリングを楽しむことができなくなるのは寂しいが、レクサスから北米で人気の2+2の2ドアスポーツクーペがこの先なくなるわけではないと予想する。
レクサスRC ファイナルエディション画像はこちら
ただし、時代の流れからこの先、V8が生き残ることは絶望的で、HVのV6といった電動スポーツクーペに生まれ変わる可能性が高い。いい方を変えれば、限定200台のRC Fファイナルエディションに代表される5リッター V8、478馬力を誇るパワーユニットを積むRC Fは今後、中古車としても希少かつプレミアムな存在になることは間違いない。純ガソリンエンジン+プレミアムクーペのRCを新車で手に入れるならいましかないということでもある(LCにはV8モデルがあるものの別物である)。※RC Fは限定200台、RCファイナルエディションの台数限定はなしとのこと。