日本から流出するのは80&90年代国産スポーツだけじゃない! いま世界のコレクターから「日本のポルシェ」が狙われるワケ (2/2ページ)

円高から円安への動きで流出は加速

 加えて、ここ最近は円安の影響で、ポルシェのみならず海外から日本でクルマを買うには、その経済的な環境もいい方向に向かった。昔から、バリューの高いクラシックカーは、その時代に通貨が強い国に集まるのだとされてきたが、かつて円高の時代に日本に上陸したモデルたちはいま、再び世界に向けて動きはじめているというのが現状なのだ。ちなみにこれはポルシェのみに限った事情ではない。

 2020年、100万台目の911がラインオフされたとき、ポルシェはそれまでに生産された911の7割が現在も走行可能な状態にあると自ら発表した。ちなみにポルシェ911の誕生は1963年のことだから、これは驚異的な比率であると考えてもよいだろう。

 もちろん現在の最新型911が登場するまでの間には、さまざまな歴史的な節目があった。996型911で搭載エンジンをそれまでの空冷式から水冷式に進化させたことなどはそのもっとも象徴的な例であり、空冷時代の911はすでにクラシックなコレクターズモデルとしての価値を高めている。

 これからもさらなる進化を続けるであろう911をはじめとするポルシェの各車。その海外流出には、やはり日本のファンとして複雑な感情が残るのも事実ではある。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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