アドスクーターが街を走る日もそう遠くない!?
トラックほどのインパクトではないが、スクーターの後部に広告看板を設置するといったアイディアが登場した。それが「Scoot Vision」だ。これは3輪EVスクーターの後部荷台の左右両面に、55インチの大型液晶ディスプレイを設置し、ここにあらかじめ用意した広告動画を表示させようというものだ。
荷台天井部には太陽光発電パネルを設置することで、一定の電源供給も可能になっている。車両全長は2.9m、全高は1.75mとコンパクトで、ディスプレイの位置は人が立って見るのにちょうど良い高さだ。すなわち、通行人やスクーターの周辺に集まった人たちを対象に、広告画像を流すのが効果的だということだろう。高画質な液晶ディスプレイだから、近くからでも違和感のない細密な映像が見られる。街角で映像を流す野立て看板のような利用法もあるが、イベント会場などでビジュアルインフォメーションのような使い方も可能だ。
「Scoot Vision」の車体画像はこちら
同様の発想はアドトラックにも導入されており、こちらは画面が大きいのでLEDパネルが使用されている。ただ、これは道路運送車両法の保安基準に定められた灯火類に関する規定あるため、公道を走行した状態で画面を映すことはできない。
法律やそれに伴う基準の解釈は難しく、公開されている条文を呼んでもどこまで合法なのか判断することは容易ではない。LEDが普及し始めた当初、同基準のストップランプの光源数に関する解釈から、LEDストップランプが違法だと考えられていたこともあった。
「Scoot Vision」の特徴画像はこちら
しかし、LEDの普及が進んだこともあって「同時点灯であれば1光源と見なす」といった解釈がなされて、現在に至っているのだといわれている。しばしば、法律は時代に遅れることもあるので、将来的には液晶パネルやLEDパネルも、堂々と公道で走りながら表示できる日が来るかもしれない。そのときには、さらに楽しいパフォーマンスが期待できるだろう。