並み居るレーシングカーを引き連れて先頭を走る「セーフティカー」! 車種はどう決まる? 誰が運転してる?

この記事をまとめると

■サーキットにはセーフティカーが導入されている

■車種の多くは各メーカーのフラッグシップスポーツでドライバーもプロレベルだ

■メディカルカーなどはレスキューツールや消化器などさまざまな機材を搭載する

セーフティカーに求められる条件とは

 読者諸兄ならレース競技に導入されている“セーフティカー”をご存じのことだろう。各ドライバーの安全を図るべく、コースアウトや天候の急変などさまざまなハプニングに対応。競技車両を先導しながら速度をコントロールするマーシャルカーのひとつだ。

 近年はバーチャル・セーフティーカー(VSC)やフルコースイエロー(FCY)などを使用してスピードをコントロールすることも多いが、クラッシュ車両の搬出など、コース内で作業を行うオフィシャルへの安全を図るためには、いまだセーフティカーはレース競技に必要なシステムだといえる。

 ちなみに、世界選手権などの主要シリーズでは、自動車メーカーの協賛のもと、ひとつのモデルがシーズンを通してセーフティカーとして採用さている。たとえばF1では「メルセデスAMG GT」と「アストンマーティン・ヴァンテージ」が交互に採用さているほか、WECでは「ポルシェ911」を採用。一方、日本発の国際シリーズ、スーパーGTでは「日産 フェアレディZ」がセーフティカーとして採用されていることは広く知られている。

 スーパーフォーミュラやスーパー耐久ではシーズンを通したセーフティカーはなく、トヨタ GRスープラやホンダ・シビックタイプRなど、各サーキットと縁のある自動車メーカーのフラッグシップスポーツカーがセーフティカーの役目を担当していることが多い。

 いずれも競技車両を先導する必要があることから、高出力エンジンを搭載したハイパフォーマンスカーが主流で、ミニバンなどのファミリーカーは採用されていない。いずれもライトバーが装着されるほか、ステアリングを握るドライバーも、レース経験をもつ実力者が起用されているのがセーフティカーのポイントだろう。

 ちなみに、レース前にコースの状況を確認するコースクロージングカーやドクターカーも、4ドアながらそれなりに速いクルマが採用されていることが多い。さらにレスキューカーに関しては、救命士が同乗するほか、メディカルキットやレスキューツール、消化器、牽引ロープなどさまざまな機材を搭載。さらに競技車両を牽引するケースもあることから、ハイスペックなSUVが採用されていることもマーシャルカーの特徴と言えるだろう。

 以上、簡単にセーフティーカーを含めてマーシャルカーの役割と特徴を紹介してきたが、こういった働くクルマたちも、競技運営には欠かせない存在となっているだけに、レース観戦の際は主役であるレーシングカーだけでなく、競技を支えるマーシャルカーもチェックしたいものだ。


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廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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