カテゴリー唯一のマザーシャシーを武器に若手が挑む 5号車:TEAM MACH TEAM MACHは、元レーシングドライバーで実業家の玉中哲二が率いるチーム。同氏はタツノコプロの代表作『マッハGoGoGo』とのコラボレーションにより、車検をはじめとしたカーライフサポートを行なう『マッハ車検』を全国に展開、レース活動では“マッハ号”をイメージしたカラーリングのマシンで長年GT300を戦っている。
使用する車両は、いわゆる“マザーシャシー(MC)”と呼ばれるトヨタMC86。いまやGT300唯一のMC車両となってしまったが、ライバルの車両よりも100kg近く軽く、ドライバーの木村偉織をして「ミニGT500」と言わしめるマシンは時折、爆発的なパフォーマンスを見せる。近年はなかなか結果に繋がらないシーズンが続いているが、SRS(鈴鹿サーキット・レーシングスクール)同期の木村と塩津佑介の若手コンビで浮上なるか。
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昨年までホンダ系ドライバーとしてスーパーフォーミュラに参戦し、GT500にもスポット参戦経験のある木村は、明治大学を卒業したシリーズきってのインテリドライバーだ。在学した4年間は、ホンダのスクールを勝ち抜き、育成ドライバーとしてステップを目指している期間だったため両立はかなりキツかったというが、無事ストレートで卒業している。
そして、日本とロシアのハーフである木村は、日本語、英語、ロシア語を操る。しかもいまはイタリア語も勉強中というから驚きだ。ちなみに英語はインターナショナルスクールで習得しており、「この顔で英語できなかったら、絶対“残念ハーフ”って言われるだろってことで……(入校した)」と苦笑する。
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その他、木村は愛車のNSX(NA1)で大黒PAに繰り出す大のクルマ好き。さらには、ひょんなことから農家と繋がりができたことから、業務販売用の米をオリジナルブランド“音速”としてグッズ展開して米不足が騒がれる現代に一石を投じるなど、じつはさまざまな一面を持つドライバーである。
その相方である塩津は、スクール卒業後にトントン拍子のステップアップができずにいたが、スポンサー営業など地道な努力も積み重ねて現在の地位を獲得した苦労人でもある。昨年ついに初のフル参戦が叶い、今季で2年目になる。
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そんな塩津は、レース界では珍しい四国出身で、“うどん県”こと香川県が地元である。ただ付き合いの長い木村は「あいつがうどん食べてるところを1回も見たことないです」とまさかのタレコミ。ただ、そのことを塩津本人に尋ねると「昨日も食べましたよ(笑)」とのことだったので、“ビジネスうどん疑惑”は一応晴れた形だ……!?
ちなみに玉中監督に関しても意外な情報が。彼はレースウィーク中にホテルに泊まらず、サーキットに乗りつけてきた自前のキャンピングカーで寝泊まりしているという。そのこだわりが詰まったカスタムは、玉中監督のSNS(Facebook)でも発信されているので、キャンピングカー好きは必見だ。