トラックメーカーが販売する「新車のトラック」はある意味未完成! 誰もが知ってる形にする「架装メーカー」の仕事とは? (2/2ページ)

架装にはさまざまな形状がある

 ここまでの説明でおわかりになったと思いますが、トラックメーカーは通常、自社で架装を製造、取り付けることはありません。そのため、完成形のトラックを買う場合は、架装メーカーに直接依頼するか、架装済みの中古トラックを選ぶことになります。ちなみにトラックメーカーには、それぞれ系列の架装メーカーを傘下に擁する会社も存在します(日野:トラックテックス/三菱ふそう:パブコ/いすゞ:いすゞ車体)。

 自動車メーカーと架装メーカーがそれぞれ得意分野で協力することによって完成する架装付きトラックですが、完成形にはさまざまな形状があります。それが平ボディ、バンタイプ、ダンプ、トレーラー、ウイングなどです。使用目的によって架装が選ばれるのですが、最後にそれぞれの特徴を簡単にまとめておきましょう。

平ボディ
荷台部分に屋根が無く、床面が平らになった架装。軽トラックから小型トラック、大型トラックまで幅広く用いられる。

バンボディ
荷台がアルミで作られた箱型の架装のこと。街でよく見かける一般的なトラックのひとつ。

幌車
荷台部分に幌骨と呼ばれる骨組みを取り付け、帆布をかぶせた架装。荷台を帆布で覆っているため多少の雨風から荷物守ることができる。それに加えて、バンタイプよりも軽量。

ウイング
荷台の側面が羽のように開くタイプの架装で側面開放車とも呼ばれる。荷台側面が大きく上方向に跳ね上がるため、荷役作業を効率良く行える。

ダンプ
荷台の下に荷台を動かすためのピストンがあり、荷台を傾けられる。荷台を傾けることで、積載物を滑らせて一気に降ろすことができる。

トレーラー
トラクタと連結させ、けん引することで荷物の運搬が可能。トレーラーは牽引されるため、トレーラーのみでは自走できない。


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