ディーゼルの悩みの種「煤」を発生させないオイルが誕生! マグロの「鮮度」にも「配送の時短」にも役立つってどういうこと? (2/2ページ)

出光興産が「円滑輸送サポートプロジェクト」 を始動

 出光興産では、このAshFreeにより、DPFの目詰まりと自動再生、メンテナンスなどの問題に直面する多くの物流企業をサポートしたいという想いのもと、物流の円滑な輸送を支える 「円滑輸送サポートプロジェクト」 の始動を宣言。その第1弾として、まぐろ・カツオの水揚げ日本一を誇る静岡県焼津港の物流企業に対し、同オイルを寄贈するセレモニーを2024年11月21日に開催した。

 寄贈式の会場となった焼津市のアポロステーション150号焼津には、出光興産から潤滑油二部セールス&マーケティング課の佐藤俊仁課長と潤滑油二部セールス&マーケティング課の霜崎英紀チーフエンジニアが出席。壇上では佐藤課長がAshFreeが2024年問題の解決策としていかに貢献するかを解説。そして同社の円滑輸送サポートプロジェクトへの意気込みをスピーチし、霜崎エンジニアが同製品のDPFに対する効果や開発秘話を語った。

 続いて「静岡県貨物運送協同組合」を代表して、焼津で水揚げされたマグロを全国各地に輸送する運送会社「有限会社ハッスイトランスポート」の佐伯靖則社長が登壇。DPFの目詰まり問題の現場での実態と、AshFreeを使用してからの効果とメリットについて語ってくれた。

「DPFの手動再生が必要となると、ドライバーはクルマを一度停めて約30分ほど詰まった汚れを燃焼させる時間を余儀なくされます。⻑年使っているトラックだとフィルターも詰まりやすく、手動再生の頻度も増します。うちの場合だとひどいときは同じ車両で 1日に2回発生していました。私どもは全国に冷凍マグロを運んでいますが、その手動再生のタイミングが高速道路にいざ乗ろうとしたときに起こったらどうなるでしょう? そう簡単には停まれません。駐車場も空いてなければ走行距離はどんどん伸び、50kmを超えると手動再生はできなくなり、整備工場でしか解決できなくなります。そうなるとエンジン制御がかかりスピードが時速50kmほどしか出なくなり高速を降りなければなりません。冷凍車はエンジンで冷やしているので魚の鮮度にも影響し、値段がつかない事態も起こり得ます」。

 そしてAshFreeを採用してからは「手動再生がほぼ皆無に近いくらい、とにかく減りました。1回30分の時間が取られる手動再生が、週に3回発生したとすると約1時間半、これが4週あるので1カ月だけでも約6時間かかっていたのが削減されました」と、同オイルがドライバーの労働環境の改善にじつに効果的であると話してくれた。


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