中途半端かいいとこ取りか? かつて日本でプチ流行した「タルガトップ」の中古事情を探ってみた (2/2ページ)

30年前に電動開閉式を実現していたモデルもあった

ホンダCR-Xデルソル

・生産期間:1992年2月~1998年12月
・当時の新車の価格:137万〜212.9万円
・中古車の平均価格:168.8万円
・中古車の価格帯:88万~299.8万円

 初代および2代目CR-Xから一転、オープンとクーペを1台で楽しめる2シータースポーツとして1992年2月にデビューした「CR-Xデルソル」。最大の特徴はボタンひとつで屋根を格納できる電動オープンルーフ「トランストップ」。トップグレードのSiRトランストップ仕様のみに設定されました(マニュアル式オープンルーフも設定されています)。

 硬派な歴代CR-Xからかなり思い切った方向転換に賛否両論があったことも事実ですが、ホンダらしいチャレンジングなモデルであったことは確かです。

三菱RVRオープンギア

・生産期間:1991年2月~1997年11月
・当時の新車の価格:139.6万〜278.2万円
・中古車の平均価格:99.5万円
・中古車の価格帯:79.9万~380万円

「RVの三菱」としてイケイケだった1991年2月にデビュー。1993年8月には電動で屋根を収納できる「RVRオープンギア」を追加。3ドアのRV(現在のSUV)という立ち位置でもかなりユニークなのに、ボタンひとつでサンルーフとは比べものにならないほどの開放感が味わえたこともあって人気を博しました。

 現役当時は人気を博したものの、現存する個体はごくわずか。絶滅危惧種ともいえる状況です。

番外編:スズキ・カプチーノ

・生産期間:1991年10月~1997年12月
・当時の新車の価格:145.8万〜158.6万円
・中古車の平均価格:122.8万円
・中古車の価格帯:45万~555万円

 スズキの軽オープン2シーターとして人気を博した「カプチーノ」は1991年10月デビュー。量産車としては世界初となる4とおり(ハードトップ、Tバールーフ、タルガトップ、フルオープン)の状態が楽しめるというユニークなモデル。

 3速ATモデルが用意されましたが、5速MT+FR+ターボエンジンを搭載した軽スポーツカーとしてのニーズが高かったモデルだといえます。

まとめ:タルガトップはどっちつかず?

 タルガトップの代表格といえばポルシェ911。かつてCR-XデルソルやRVRオープンギアに装備されていたような「電動ルーフ」を装備しており、開閉ギミックのインパクトはカブリオレ以上です。しかし、ポルシェがこのギミックを導入したのはほんの11年前。2014年のことです。30年も前に実用化していた国産メーカーのすごさを改めて実感します。

 サンルーフですらオプション設定されないモデルが増えつつあるなか、タルガトップという機構自体が絶滅危惧種といえるかもしれません。もし街なかで見かける機会があったら、独得のルーフラインに注目してみてください。タルガトップだからこそ表現できるルーフラインの美しさに感動するはずですから。


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松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
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