この記事をまとめると
■初代アリストはジウジアーロがデザインのベースを作り上げた
■同時期に販売されたクラウンマジェスタとは兄弟車的な関係にあった
■高出力エンジンを搭載しておりスポーティな走りを楽しめた
トヨタのプレミアムスポーツセダン
トヨタの新型スポーツセダンとして1991年10月に登場したアリストは、4ドアセダンでありながら流麗なスタイルをもつもので、それまでのトヨタのセダンとは異なるキャラクターをもっており、日本国外ではレクサスブランドから初代レクサスGSとして販売されていた。
そんな初代アリストのデザインを手掛けたのはかのジウジアーロであり、トヨタの手によってリファインされたものが市販モデルとなっている。
この初代アリストの型式はS140系というものが与えられ、同時に登場したクラウンマジェスタとじつは兄弟車関係で、プラットフォームを主とするメカニズムの多くが共有されていた。
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といっても優雅な日本的プレステージサルーンのクラウンマジェスタとは異なる、スポーツセダンというキャラクターを与えられていたアリストには、マジェスタには設定されることのなかった3リッターの直列6気筒ターボエンジンである2JZ-GTE型エンジンが与えられていたのだ(マジェスタと共通の2JZ-GE型も設定)。
この2JZ-GTE型エンジンは80系スープラに搭載されたトヨタ屈指のスポーツエンジンとして知られているが、じつは80系スープラよりも早く搭載されていたのである。
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※写真はスープラ(A80)の2JZ-GTEエンジン
その一方でマジェスタに搭載されていたV型8気筒の4リッターは当初は設定されず、1992年10月に追加された4WDモデルに設定されるのみに留まっていた。
足まわりは四輪ダブルウイッシュボーン式サスペンションがおごられ、コンピュータが自動的にショックアブソーバーの減衰力を制御するピエゾTEMSが設定されていたのもいかにもスポーツセダンらしいところ。
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残念ながらトランスミッションは4速ATのみの設定となっていたが、ターボモデルでは280馬力/44.0kg・mという最高出力を誇り、最速セダンの称号をほしいままにしていたことを記憶している人も多いことだろう。
ただ、NAモデルも230馬力/29.0kg・mと十分な出力をもち、ターボモデルよりも100kgも軽量。しかもファイナルギヤはターボモデルよりもローギヤードなものが与えられていたため、NAモデルでも痛快な走りが楽しめたというのは意外と知られていない事実かもしれない。
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