香港で自動運転のバス同士がクラッシュ! 単純なシチュエーションでの事故が物語る自動運転の難しさ (2/2ページ)

自動運転における事故は原因究明が厄介に

 日本ではレーダークルーズコントロールが急速に普及しているものの、実際は意外なほど活用されていないといった話を聞いたことがある。アメリカではかなり前から、一般的なクルーズコントロールはマストアイテムのように装着されていた。ただし、アナログメーターの針を見て速度設定するので、同じように時速70マイルに設定しても、微妙な設定のズレから、だんだん接近していってしまうことがよくあった。

 その後、アナログメーター車でも計器盤内に小さなデジタルディスプレイが設置され、そこに速度がデジタル表示されるようになり、数字でクルーズコントロールがセットできるようになると、設定誤差というものもだいぶ改善され、定速走行がしやすくなった記憶がある。

 とはいえ、個々で設定速度が異なれば速度調整が必要となってくるのだが、しばらくすればCC(クルーズコントロール)ではなく、ACC(アダプティブクルーズコントロール ※レーダーなどを使用して設定した速度内で前方車両の速度に合わせて自動的に速度調整が可能)が当たり前となれば、さらにイージーに長距離ドライブを楽しむことができるだろう。

 日本で自動運転というものは、バスやタクシー、トラックの働き手不足対策のような捉え方が目立つが、アメリカで砂漠の一本道を走っていると、対向車はおらず、まわりは砂漠が広がっているだけで障害物もないようなシチュエーションがある。こういったシーンでは、「個人運転レベルでも完全自動運転できればいいなぁ」と考えてしまうことがある。

 ただ、ファミリーレストランのネコ型配膳ロボットでもロボット同士でぶつかりあうこともあると聞いたことがあるので、絶対といえるほど万全な技術というものは存在しない。自動運転車の絡む事故が発生したときには、今回の香港の事象のように、「なぜ起こった?」と、システムから見直さなければならないという点では、いままでの交通事故より厄介なのではないかと、筆者は考えてしまった。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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