ピックアップトラックなのに軽量化のために荷台がない! アジアクロスカントリーラリーに参戦するトヨタ・ハイラックスがエコだった

この記事をまとめると

■2025年8月8〜16日にアジアクロスカントリーラリー(AXCR)が開催される

■AXCR2025には「Tras POWER 135 TRD HILUX」が参戦する

■タイ国内を約2500kmを走破する過酷なラリーが8日間にわたって繰り広げられる

ハイラックスは市販車から大きく改造されて参戦へ

 FIA公認の東南アジアを舞台としたアジアクロスカントリーラリー(AXCR)2025が2025年8月8日(金)〜16日(土)の日程で行われる。今回で30回目となるこの記念大会に「Tras POWER 135 TRD HILUX」が参戦することが発表された。地球環境に配慮した持続可能な天然素材をボディ外板に使用したエコなラリーカーを仕立て、2022年から連続参戦を果たしているチームで、今回もトヨタ・ハイラックスを使用し、改造が許されるT1D(市販車改造ディーゼル)クラスに参戦する。

 1996年から毎年8月に開催されてきているアジアクロスカントリーラリー(AXCR)は、アジア各国を巡るラリーとなっている。コロナ禍の影響で、2020年・2021年は開催ができなかったものの、2022年は開催を11月に延期して再開、そして2023年からは以前と同じように8月の開催となっており、初開催から30年目となる2025年大会も多くの参加者を集めて8月に開催される予定となっている。

 今回、AXCR2025に参戦を発表した135号車「Tras POWER 135 TRD HILUX」は、TRDがチューンした2.8リッター直列4気筒インタークーラー付きディーゼルターボエンジンを搭載し、ミッションは6ATとなる。足まわりはKING社製のダンパーを採用。ちなみにリヤサスペンションはリーフ式から4リンク式に変更されてもいる。使用するタイヤはジオランダーM/T G003(245/75R17サイズ)となる。

 実際に車両を見てみると、ワイドフェンダーを装着したハイラックスは迫力満点。その車両後方にまわってみると、サイドのパネルはあるものの、テールゲートはないし、荷台の床面のパネルもなし。しかし、必要な装備としてスペアタイヤ2本、ジャッキ、ウインチ類といったアイテムはしっかりと搭載されており、この形状は軽量化も進められた結果といえる。

 この車両に乗り込むのは、ドライバーに新田正直選手、コ・ドライバーには、日野自動車のダカール・チャレンジグループ主幹でもある門馬孝之選手が起用され、初ペアを組んで挑戦することとなる。そしてTRDがカスタマーサポートという形でバックアップをする体制をとる。

 新田選手は、2022年AXCR初挑戦で総合20位、2023年は総合10位、2024年は総合28位と3年連続できっちり完走を果たしている。新田選手は、コンポジット製品成形メーカー「トラス」の代表でもあり、このAXCRへは、スイスのBcomp社の天然繊維材料を使用した外装パネルで武装したハイラックスで挑戦を続けている。

 この天然繊維を使用したパネル類は、カーボン製と比べて製造から廃棄までのCO2排出量を最大85%削減するという。毎年同じ天然繊維を使用しているのだが、じつは毎回改良が加えられており、4年前と比べると性能は大きく向上しているという。

 アジアクロスカントリーラリー(AXCR)第30回大会は、当初はタイからカンボジアへの国境を越えてのラリーの予定だったが、タイとカンボジアの軍事衝突により、今回はタイ国内のみの開催に変更。決勝レースは2025年8月8日にからスタートし、8日間で約2500kmを走破することとなる。


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