この記事をまとめると ■登場から2年が経過したレクサスRZが大幅なアップデートを行った
■“F SPORT”についにステア・バイ・ワイヤが採用された
■外装の変更はほとんどないが中身は全取っ替えと言える大幅なアップデートになっている
見た目は変わらずも中身はほぼフルモデルチェンジだ 現時点ではレクサス唯一のBEV専用車となるRZが、登場から約2年で大幅なアップデートを行った。なかでも注目は、ついにステア・バイ・ワイヤを採用して登場した待望の“F SPORT”。ポルトガル南部のファロで行なわれた国際試乗会でいち早く体験したその実力は、期待を裏切らない、いや大きく超えるものだったのだ。
レクサスRZ集合 画像はこちら
今回、外観にはほとんど手が入れられていないRZだが、新設定のRZ550e “F SPORT”は、前後に昨年発売された限定車“F SPORT Performance”のエッセンスを感じさせるエアロパーツが追加され、ホイールも空力を意識したディッシュタイプのデザインとされるなど、強く独自性をアピールしている。そして、内装を見れば、ステア・バイ・ワイヤ採用であることを示すヨーク型のステアリングが、一体どんな走りを見せるのかと期待感を煽ってくる。
レクサスRZ550e “F SPORT”の俯瞰フロントスタイリング 画像はこちら
ハードウェアを見ると、電気モーターやギヤボックス、インバーターを一体化したe-アクスルが刷新されている。モーターの最高出力は前後ともに167kW(約227馬力)。システム最高出力はじつに300kW(408馬力)で、現行のRZ450eの前150kW/後80kW、合計230kW(313馬力)に対する増強ぶりは強烈だ。
しかも、バッテリーはセルが新しくなり、かつセル数も96個から104個に増やされ、容量は従来の71.4kWhに対して77kWhに。何と、この刷新されたバッテリーを積むためにプラットフォームまで更新されているのだという。開発陣いわく「ほとんどフルモデルチェンジ」という大幅な進化を遂げているのである。
早速、走り出そう。まず気になるステア・バイ・ワイヤは、最初の一瞬は切れ味に戸惑うかもしれないが、2〜3度操舵を繰り返せば、ほぼ慣れる。左右それぞれへの最大操舵角が、 デビュー時の国際試乗会などで試した150度に対して、 量産型では200度に改められたのも、 違和感を薄めているのだろう。
レクサスRZ550e “F SPORT”の走行シーン 画像はこちら
いずれにしても街なかや駐車時などには持ち替え不要なほどよく切れるのに、速度が上がればビシッと安定してくる感覚は不思議だが、違和感はすぐに無くなる。むしろ、普通のステアリングのクルマに戻ったときに、こんなにまわさなきゃいけないのかと感じてしまうほどだ。