この先もマツダのロータリーエンジン車に乗り続けたい! 「RE Club Japan」が踏み出した歴史的なはじめの一歩 (2/2ページ)

アカデミックな内容も盛りだくさん

 当日は多くのロータリーエンジン搭載車が集合したが、今回は一般的なオーナーズミーティングのようにクルマのまわりで集まってコミュニケーションを取るのではなく、室内でのイベントがメインとなり、マツダの関係者がロータリーエンジンの歴史や現状を説明したりするアカデミックな内容であった。

 とくに多くの参加者が注目していたのが、マツダで長年スポーツカーの開発を担当していた貴島孝雄氏の特別公演だ。マツダがスポーツカーで50:50の前後重量配分にこだわる理由や開発当時の秘話、そして歴代RX-7の開発現場でのエピソードなど、ココでしか聞けない話が多く出ていた。

 そして、オーナーたちがもっとも関心を寄せたのが、パーツ供給とレストア構想に関する意見交換だ。オーナーだけでなくロータリーエンジンを専門とするショップ店員も参加し、具体的な意見交換が行われた。

「現在どの部品が生産されているかの情報がほしい」「流用情報を教えてもらえることはできないのか?」「コスモ用のアペックスシールの生産はないのか?」といったことを中心に、さまざまな意見が飛び交った。

 もちろんマツダとしてもなにも行っていない訳ではなく、今後一般のユーザーが部品在庫をチェックできるような体制を考えていたり、「知らぬ間にパーツの生産が終わっていた……」ということがないように、最終生産のパーツリストを公開しているから、それを活用してほしいといった堅実的な情報交換もなされた。

 マツダとしても、「他メーカーのパーツも含めた流用情報はこちらでも知らない部分があるので、自分たちもこの場を活用してそれを知りたい。そうすればサプライヤーに掛け合って再び部品として生産できるかもしれない」といったこともあった。

 生産が終了したクルマに対する部品供給の面に関して、これだけオーナーと密にコミュニケーションを取る自動車メーカーはそうそうないだろうと思わせる光景であった。ロードスターと同じようにマツダはロータリーエンジンを工業文化的遺産として残していきたいと思っていることが伝わってくる時間であった。

 次回のイベント開催やその形式は未定であるが、ロータリーエンジンが残されていく第1歩となる日になったことは間違いない。RE Club Japanとマツダの今後の展開に注目したい。


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西川昇吾 NISHIKAWA SHOGO

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マツダ・ロードスター(NB8C後期型)/ボルボV40 T4
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