デリ丸。でお馴染みのデリカミニが早くもモデルチェンジ! ADASも走りも装備も大幅進化も「デリ丸。顔」はちゃんと継続!! (2/2ページ)

デリカミニのベースとなっているeKスペースも新型登場

 さらに、助手席側にはゆとりある大きさのインパネトレイとカップホルダーを設けるとともに、その外周に高く太い形状を与えた「インストグリップ」とすることで、SUVライクな力強さの表現と、走行中の落下を抑える機能性を兼ね備えているのも技ありだ。

 シートは後席のクッション形状が変更され、座面長が約30mm(筆者実測)拡大されるとともに、座面・背もたれとも全体が弧を描くような形状となったことで、ホールド性がアップ。と同時に、後席格納時に生じる段差も約30%低減された。

 なお、撥水シートやPVC製後席シートバック、樹脂ラゲッジボードといった、汚れに強い装備も継続設定。ラゲッジフックは左右に3個ずつ備わるなど、アウトドアレジャーでも使い勝手のいい荷室は健在だ。

 走りのメカニズムは多くが継承されているものの、細部に改良の手が加えられている。エンジンはピストンにコーティングを施してフリクションを低減したほか、CVTは過度にエンジン回転を上昇させないよう制御を変更。

 また、特殊遮音フィルム入りフロントガラスを新たに採用し、前後ドアパネルへは内部に2層遮音シート、下端にはシーリング剤を追加。リヤホイールハウス周辺にも高機能吸音材を採用して静粛性を高めるなど、従来モデルの弱点を着実に改善している。

 初代デリカミニで好評だった、4WD車専用のダンパーセッティングと、FF車より外径がひとまわり大きい165/60R15タイヤは、新型デリカミニでも継承。そのうえで、KYB製「プロスムース」ダンパーを全車に採用したほか、スタビライザーのリンクの剛性を高め、ベアリングとブッシュの位置も変更することで、しなやかかつ安定した走りを全車で実現した。

 そのほか新型デリカミニには、「POWER」「ECO」「NORMAL」「GRAVEL」「SNOW」からなる5種類のドライブモードを実装のうえ、ダイヤル式の切り替えスイッチをインパネ中央に設置。なお、eKスペースには「GRAVEL」と「SNOW」がなく、切り替えスイッチもトグル式になるので、泥道や雪の上を走ることが多いならば、デリカミニのほうがより安心して走れるだろう。

 新型eKスペースのほうは、時期を同じくして新型となるであろう姉妹車の日産ルークス(標準車)と内外装の多くを共用すると思われるが、こちらもデリカミニと同等以上にシンプルかつモダンな装いへと一新。撮影時にごくわずかながら運転したところ、走りも新型デリカミニと同様にしなやかかつ安定したものへと進化しているのが体感できたので、こちらも大いに期待してよさそうだ。

 エンジンはデリカミニがNA(自然吸気)とターボを設定し、eKスペースはNAのみ。グレード構成はデリカミニのNA車が標準グレードの「G」と上級グレードの「Gプレミアム」、ターボ車が同じく「T」と「Tプレミアム」の計4種類で、eKスペースは標準グレード「M」と上級グレード「G」の2種類。いずれもFF車と4WD車から選べ、トランスミッションはCVTのみというラインアップを、既存モデルから踏襲する見込み。

 まだ明らかにされていない詳細は多いものの、発売が楽しみなクルマに仕上がっているのは間違いない。続報を期待して待っていてほしい。


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遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

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