キャラバンがハイエースにはないACCを採用して王者に挑む! だが「かっとぶ」ドライバーの多い商用1BOXで「有効活用されるか」の疑問 (2/2ページ)

せっかくの運転支援技術を有効活用できるかどうかに懸念

 欧州あたりでは、安全運転を支援するデバイスは商用車から積極採用されるとも聞いている。自家用ではなく日々業務で使用する商用車だからこそ、安全運転支援デバイスの充実は就労環境の改善にもつながるからであろう。乗用車では日本車でも標準装備がなかば当たり前となってきているのだが、その存在や利用方法が周知徹底されきっていない部分もあり、あまり利用されていないという話も聞いている。

 大型トラックではACC(オートクルーズコントロール)の装着は普及しているようであるが、装着が始まったころは居眠り運転を誘発するとして使用禁止とする事業者も出てきたとのことで、いまでは居眠り運転を感知するデバイスを装着するなど、大型トラックではさらなる安全運行を支援するデバイスがかなり普及している。

 これも筆者の肌感覚となるのだが、高速道路を走っていると追い越し車線を爆走するハイエースやキャラバンは日常風景のように多く見かける。そこにはどう見てもACCが介在する余地はないように見える。キャラバンに限らず、せっかく安全運転支援デバイスを充実させても、販売現場でセールスマンが十分顧客に説明できていないことも、安全運転支援デバイスをユーザーが使いこなせていないといわれるような現状を生んでいるようにも見える。

 今回は上級グレードのみ標準装備という設定だが、廉価や普及グレードではそれこそ高速道路走行などはほとんどなく、ほぼ一般道路しか走らない域内の配送業務などで使うシチュエーションが多いので、オプションとしてユーザーが任意選択できるようにしたのは賢明な判断のように見える。

 地元企業経営者がクラウンやアルファードに乗り、自社の業務用社有車をハイエースバンにするというパターンが目立つとも聞く。レクサス店はその多くがトヨタ店やトヨペット店の事業部として展開されているので、レクサスオーナーの経営者が業務用社有車をハイエースにしているというケースもあるようだ。

「プライベートカーがトヨタなのだから、自分の会社のクルマもお世話になろう」というのは自然な流れ。トヨタはこのパターンを長きにわたり販売現場で踏襲し、いまもクラウンやアルファード、ヴェルファイア、そしてレクサスなど高級乗用車をしっかりと販売してきているので、それがキャラバンに販売台数で差をつけている一因のようにもみえる。そうなると、キャラバンがハイエースに対して装備面で差をつけ魅力を増そうとするのもまた自然な流れのようにも見える。


この記事の画像ギャラリー

小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

-

愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

新着情報