日本市場で成功したければ売りかたも大切だ
中国車全体の傾向でもあるのだが、安定性を重視しているのかは定かではないが、サイズにかかわらずワイドイメージが目立っている。ドルフィンがすでに3ナンバーコンパクトBEVとなっているのだから、ATTO1も韓国ヒョンデのインスターのように5ナンバーサイズに幅が収まっていればと、「たられば」なことばかりをインドネシアで考えていた。
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聞いたところでは、すでに日本の商社なども参戦して、BYD以外の中国メーカーで日本の軽自動車規格に収まりそうなモデルの有無などが積極的に確認されているそうである。筆者も2025年4月に開催された上海モーターショー会場内にて、多少サイズをいじれば日本では軽自動車規格で販売できるのではないかというモデルをいくつか見ることができた。
このような動きは軽自動車規格BEVだけではなく、ATTO1やドルフィンサイズの中国メーカー系BEVでも、なんとか日本市場で売ることはできないかという動きが活発になっているとのことである。
いままでのようにメーカー系正規ディーラーを構えてそこで販売していてはなかなか既成概念(『中国アレルギー』も含めて)の打破はできない。家電量販店、ホームセンター、ショッピングモールなどで販売するなど、その販売手法自体もブレークスルーができれば成功する可能性はがぜん高くなるのではないかと筆者も考えている。
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中国の大型ショッピングモールのなかには、すでに多くのBEVブランドがショールームを構えている。BEVは排気ガスを出さないので、店内で電源オンすれば実際に運転はできなくてもエアコンの利き具合ぐらいまで確認することができる。すでに日本国内でも地方の大型ホームセンターで登録済み未使用中古車が、自転車のように店内や店頭に並べられ販売されている地域もある。中国メーカー製BEVがその仲間入りする日も近いかもしれない。
ディーラーへ足を運ぶのが面倒くさい、こんなことも新車販売がいまひとつ盛り上がらない背景にはあると筆者は考えている。そうはいってもオンライン販売は、日本よりはるかに社会のデジタル化が進んでいるアメリカでもあまり馴染んでいない。製品もさることながら、その売りかたも大きく変えることがセットでできれば……、いま水面下では売りかたも含めて中国メーカーのBEVを日本で売りたい、そのような動きが現実の形となって日本で見ることができるようになるかもしれない。