100万円切りもある5代目オデッセイの中古を買うなら初期型は要注意! 基本手を出すなら2016年以降のモデルにすべし (2/2ページ)

2016年に導入されたハイブリッドモデルが狙い目

 が、国内で生産された5代目オデッセイのアブソルートでも、初期型ではないが「買い」の年式がある。それが、中古車価格では100万円を超えてしまう車両もあるようだが、2016年にホンダの上級ミニバンとしては初採用となる、システム最高出力215馬力を発生する「SPORTS HYBRID i-MMD」を搭載したハイブリッドが追加されたタイミング以降のオデッセイだ。スペックの詳細は2リッターエンジンが145馬力・17.8kgm。モーターは184馬力・32.1kgmで、当時のモード燃費はガソリン車の倍近い26.0km/Lを実現している。

 当時の筆者の試乗インプレッションでは、「ハイブリッドモデルはアブソルートでも全席の居住性、ラゲッジの使い勝手を犠牲にせず、1列目席下に配置されたリチウムイオンバッテリー&制御用ECUなどで構成されるIPUによって低重心化が計られ、全体で約80kgの重量増がいい方向に作用し、17インチタイヤを履いていても、ガソリン車のアブソルートとは別物のゴツゴツ感ほぼ皆無のストローク感あるしっかりしなやかで上質な高級サルーンを思わせる乗り心地を示してくれた」とある。

「出足はもちろんモーターによるEV走行(最大110km/h、3~4km)。そこからは豊かなモータートルクによる滑らかで力強い加速力を静かに、そしてジェントルに発揮。エンジンをまわすシーンでも車内に侵入するノイズは微小。ただし、パワステの操舵感は、標準車のハイブリッド、ガソリンエンジンのアブソルートと比べてややすっきり感に欠ける印象を受けた。16インチタイヤを装着する標準車のハイブリッドの乗り心地はさらに心地よく軽やか。段差などでの突き上げ感も極めて軽微」とある。

 カタログなどには大々的に紹介されていないものの、足まわりが改められ、乗り心地が激変。操縦性のキレ味はやや薄まったものの、マンホールや路面の段差などを乗り越えた際の突き上げ感は減少。初期型(2015年型までの意味)に比べ、スポーツグレードのアブソルートでもファミリーミニバンとして快適性が得られたというわけだ。2列目プレミアムクレードルシートのかけ心地のよさ、快適性、足もとの広さは、いまでも十分に通用する。

 結論としては、古すぎない、2016年2月5日以降に発売された、車両形式DAA-RC4のハイブリッドアブソルート、または標準車のハイブリッドの中古車が、2桁万円ではないにしても、後席乗員から苦情が出にくいファミリーユースのミニバンとしてお薦めである。それでもLクラスミニバンとしては貴重な、スポーティな走り(アブソルート)を味わえるホンダらしいミニバン、オデッセイであることは間違いない。

 なお、カーセンサーで2016年から2017年初年度登録のオデッセイを検索したところ、389台がヒットした。安心感ある保証付きのメーカー系中古車店(ホンダカーズ)でも見つけることができ、比較的選びやすい中古車もありそうだ。現行モデルの新車とそう大きく違わないエクステリアであることも選択のポイントかも知れない。


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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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