この記事をまとめると
■1958年(昭和33年)3月に軽自動車の当時の富士重工業から「スバル360」が発売された
■当時は先進的なモノコックや新規発注部品の使用など本物志向のこだわりがあった
■発売から3年で年間1万7000台超の台数を販売する時代を動かす1台であった
世に家電が普及する前から大きな衝撃を与えた存在
日産サニーは、1966年(昭和41年)4月に発売、トヨタ・カローラは、同じ年の11月の発売だ。当時、大衆車と呼ばれたこの2台が偶然にも同じ年に発売され、日本のモータリゼーション(クルマが一般に普及すること)が大きく前進する。しかしその前に、身近な自家用車として衝撃的な存在となったのが、軽自動車のスバル360である。発売は1958年(昭和33年)3月だ。
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ちなみに、伝説的に語られるホンダN360の発売は、スバル360から9年後の1967年(昭和42年)3月。良し悪しを比較できないほど、両車は印象深い軽乗用だが、昭和30年代と40年代では時代背景がだいぶ異なる。
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昭和30年代は、戦後の復興がいよいよ本格化しだす時代で、後に高度経済成長といわれる期間は昭和30年からだとされるが、まだ家庭電化製品などが広く行き渡る前で、やっと収入が落ち着きはじめた。一方、昭和40年代にはいると、テレビや洗濯機、冷蔵庫などの家庭電化製品が行きわたり、生活にゆとりがもたらされだす。
つまり、スバル360が発売された時代は、高度経済成長の始まりではあったが、まだテレビももてない家庭があり、まして軽自動車といえクルマをもつなど夢のような時代であった。
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