質感の向上で重くなったぶんはマイルドハイブリッド廃止で相殺
いよいよコースインする。砂利道を走り始めると、サスペンションがしなやかで快適性が向上しているのがわかる。今回、ショックアブソーバにカヤバ社製「Prosmooth」を初採用し、専用チューニングした。アブソーバー内部摺動部のフリクションを低減し、ストローク初期から減衰力をリニアに発揮できるようになり、車輪の振動を抑制しつつしなやかに路面に追従させていることが伝わってくる。この足まわりは軽自動車の質感じゃないなと思わせるほど。
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そして、ドア下端のシーリング、吸音材やフロント遮音ガラスの採用などで走行ノイズが見事に抑え込まれている。三菱はコンパクトカークラスより静かというが、いやいやC、Dセグメントの乗用車並みに静かといえるだろう。
エンジンの振動、ノイズも小さく、オフロード試乗なのに快適さを堪能できるレベルだった。ついでヒルディセント、スタック脱出機能など、ドライブモードの変化とともに試す。どの装備、機能も使い勝手がよく、実用的だ。オフロードの経験値、商品作りに長けた三菱車らしい操作性と走行性の高さが確認できた。
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最低地上高は160mmと従来と同じで、車両重量も1050kgとほとんど変わっていない。ルーフ面積拡大やフロント遮音ガラス採用、吸音材の充実など、重量増加を否めない要素が多いのに、車両重量を維持できたのはBSG(ベルテッドスタータージェネレーター)によるマイルドハイブリッドを廃止したからだ。これで大きな減量が可能となり、そのぶんだけ新たなアイテム導入が可能になったといわけだ。かといって燃費の低下はほとんどなく、エンジンやCVT制御の進化で従来以上の実燃費を実現しているという。
装備面では、Google機能を10年間通信費無料で使えるほか、3Dマルチアラウンドモニター、エンジン下透過ビュー、シートヒーターやステアリングヒーターの装備、フルフラットに近づいたシートレイアウトなど多彩。フルモデルチェンジの恩恵を大きく受けていた。
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タイヤは165/60R15ながら、なぜかエコタイヤだったり、ルーフの耐荷重がじつは30kgでオプションのルーフキャリは(10kg)を載せると積載可能重量は20kg以下になるなど、理解しておく必要もあるパートもあるが、新型デリカミニがさらに人気を高めるのは間違いないだろう。
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