祝! スイフトの累計販売が1000万台突破……もなんと6割がインド!! なんでインドで愛されまくるのか事情を探った (2/2ページ)

インドではセダンの「ディザイア」がタクシーとして大人気

 筆者がスイフトで思い出深いのは、インドを訪れたときにお世話になるスイフト派生の、小さいトランクをもつディザイアだ。ちなみにディザイアは現行モデルで4代目となるのだが、初代と2代目では「スイフトディザイア」を名乗り、3代目からは「ディザイア」と名乗っている。

 筆者がモーターショー取材のため、初めてインドの首都デリーを訪れたのは2016年のこと。インドのタクシーは相乗りとなるので、日本のように相乗りではないタクシーはプライベートタクシーなどと呼ばれていた。いまのウーバーのような配車アプリはなく、たとえばホテルからショー会場への往復で使いたいとなると丸1日貸切り、つまりチャーターして利用していた。

 会場までの往復で使ったプライベートタクシー車両はインドメーカーのタタ製コンパクトセダンだったのだが、取材も終わったのでその翌日市内見物をしないかとドライバーに誘われたので承諾すると、翌日はタタではなくなぜか2代目スイフトディザイアでやってきた。そこには何かタタのモデルよりも、スイフトディザイアのほうが奢ったクルマのような感覚をもっているように見えた(しばらくするとディザイアばかりとなった)。

 インドではタクシー車両は大抵燃料がCNG(天然ガス)となり、ガソリンタンクをそのままにガソリンも使うことができるハイブリッド仕様となっているので、トランクにはCNGタンクがあり荷物を積載することができない。2016年以降、2018年、2020年、2024年とデリーへ出かけているが、たいていは空港とホテルの往復は1名で利用していたので、大きなスーツケースも助手席に置くなど車内積載していたが、それでも何度か、ルーフラックを装着したディザイアではロープを張ることもせず、ただラックにスーツケースを載せたままホテルあるいは空港に向かわれたことがある。お世辞にも治安がいいとはいえないデリーなので、ドライバーに「危なくないのか(盗まれないのか)」と聞いたのだが、「大丈夫」といわれるだけだった。確かにいままで盗まれたことはない。

 2024年にデリーを訪れたときは、ウーバーでタクシーを呼ぶとたいていディザイアがマッチングされた。たまに韓国ヒョンデの同サイズセダンに当たることもあったが、ドアハンドルが壊れているなど、「ディザイアは耐久性も高くよくできているなあ」と納得させられた。聞くところによると、スイフトの日本仕様とインド仕様で耐久性能に差はないとのこと。クルマが酷使されるインドであっても、スイフトが抜群の耐久性能を示しているのを見ているので、「日本でもとにかく長く乗りたいのであればスイフトがおすすめ」といっている。

 累計1000万台の内訳としては、インド市場が61%で断トツトップとなっている(2005年以降累計約600万台を販売している)。こうなってくると、「スイフト=インドの国民車」といっても過言ではない状況だ。とくにタクシーなどで日々酷使されていて(正確には派生車種ディザイアがメインとなるが)、しかも目立って劣化しないのをインドのひとは日々見ているわけだから、スイフトだけではなくスズキブランド車への信頼が厚くなっても当然といえよう。

 いまインドではフロンクスが日本以上に大ヒットしている。そもそもクーペSUVがインドのひとは好きなようで、スズキ以外でも同様のモデルがラインアップされているが、とにかく街のあちこちでフロンクスを見かけることができる。これもスイフトが20年にわたり培ってきた性能がよく耐久性が高いという信頼の賜物なのかもしれない。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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