実用化される未来もそう遠くない!?
そして2020年の創業130周年を機にクボタが発表した「夢のトラクタ」が、AIや電動化技術などが備わった完全無人の自動運転トラクタ「コンセプトトラクタ」で、このたびの大阪・関西万博で発表された汎用プラットフォームロボットが、冒頭で軽く触れた「Type:V」と「Type:S」だ。
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「Type:V」は、農業機械の枠に収まらない完全無人プラットフォームロボットで、作物の間隔や生育状況、作業内容に応じて車体の高さや幅などのトランスフォーム(変形)が可能。そして各作業に適したインプルメント(作業機)を自動で付け替えることで、1台で多くの用途に使用することも可能になる。
たとえば稲作において、従来はトラクタやコンバインなどの用途別機械で行っていた耕起、中間管理、防除、収穫といった作業をこれ1台で担うことができるほか、野菜などのさまざまな作物、さらには農業以外のさまざまな作業にも対応する。
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そして「Type:S」は、4本の脚を柔軟に曲げ伸ばしすることで、果樹園などの傾斜地や凹凸のある地形でも機体を水平に保ちながらの移動が可能となるプラットフォームロボット。荷物の運搬や高精度の管理作業ができ、さまざまな用途に適したアタッチメントを取り付けるプラットフォームとして活用されることを見据えている。
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素人目には、あまりに未来的すぎるようにも思えるType:VとType:Sだが、考えてみれば1970年の大阪万博に展示された「夢のトラクタ ユメトラ タレント25」も、当時としては斬新すぎたのかもしれない。だがそのコンセプトや数々の機能はその後少しずつ実用化され、現代のトラクタでは、ごく当たり前になっているものも多い。
そういう意味ではType:VやType:Sも、近い将来のニッポンの田畑で、ごく普通に見かける存在になっていくのだろう。