ディーラーが主となって運営する強豪チーム
埼玉Green Braveは、トヨタ系ディーラーの埼玉トヨペットが運営するレーシングチーム。同社には「モータースポーツ室なる部署があり、そこに所属するレース専任の社員がチームの主要ポストを構成しているが、タイヤ交換や給油といったピット作業には、普段ディーラーで勤務する店舗メカニックも加わっている。

そんな彼らがモータースポーツに参戦するのは、人材の育成と、ディーラーで働くメカニックに対する憧れを創出することだ。青柳 浩監督は以前、こう語っていた。
「ディーラーの販売店活動のなかで主役になるのは営業で、サービス(店舗メカニック)は日の目を見ないと言いますか、裏方の仕事が多いです。クルマを売ったり成績が上がれば営業がフォーカスされるなかで、サービスはなかなか表彰されません。モータースポーツはドライバーさんにクルマを速く走らせてもらうことももちろんですが、しっかり走れるクルマを作るメカニックとの両輪になっていて、メカニックの活躍にも光を当てられるという意味で、すごく効果のある活動だと思っています」
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近年はトップチームの一角となっており、2023年には悲願のシリーズタイトルを獲得した。2020年から採用しているGRスープラ GTは、風洞実験によって空力のアップデートを重ねているという、おおよそディーラーチームとは思えない力の入りようで、今季に向けてはタイヤサイズ規則の変更などに伴い大幅に仕様変更されているが、変わらず高い戦闘力を発揮している。
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ドライバーラインアップは、チームの古株である吉田広樹と、トヨタ育成ドライバーの野中誠太のコンビだ。
ベテランとなった吉田はここ数年若手を引っ張る立場となったことで、意識や行動が目に見えて変化したとチームスタッフは明かす。その一方で後輩の相方にも積極的にアドバイスを求めるなど、謙虚な人間性はそのまま。そこが“愛されキャラ”の所以か。
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一方、今季スーパーフォーミュラへのデビューも果たした野中は、真面目で礼儀正しく、レースにかける思いはアツいという“正統派”のレーシングドライバーで、チームからの評判も高い。端正なマスクで、パドックでは熱心な女性ファンの姿も目にする。
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