「今後の三菱はどんどんシンプルになる」ってダイナミックシールドはどうなるの!? 「ELEVANCE Concept」のデザインに隠された「格、鍛、純」の秘密【ジャパンモビリティショー2025】 (2/2ページ)

三菱の新時代はここから始まる!

 このELEVANCE Conceptは、シートの作りも凝っていて、1列目のシートは、背もたれだけを動かして対面シートになる、いわゆる転換クロスシートに近いものをSUVで初めて採用している。

「このクルマのこだわりとして、絶対に対面式を可能にしたかったのですが、回転式にするスペースはないので、シートバックを上下シンメトリカルにして、シートアングルはそれぞれ変えられるようにしつつ、アームやヘッドレストを回転式にすることで、対面化を実現しました。こうした新しい試みができるとクルマの空間も、ずいぶん変わってくると思いますよ」と説明してくれた。

 さて、三菱車らしい顔といえば、いわゆる「ダイナミックシールド」が有名だが、そのデザインエッセンスは、アウトランダーの発表の際にも公表された、「格、鍛、純」の3つの言葉に集約されている。

「三菱のクルマって真面目で誠実なんです。それがクルマの表情に現れるといいな……と考えておりまして。それで三菱のクルマを擬人化したときに、見た人がどのようなパーソナリティをもっているように感じてもらいたいか考えたのです。そこで、『格、鍛、純』というエッセンス、哲学を作ったのです。『格』は自信、大胆さ、寛容さ。パッと見たとき頼れるような顔つき、人を選ばず受け止めてくれる寛容さ、これは絶対あった方がいい。頼れるけど威圧感はいらない。デリカミニがその典型で、やんちゃかわいい『無我夢中』の表情をデザインしました。トライトンは『勇猛果敢』。神経質な顔にはしたくないんですね」

 続けて、「そして運動神経のいい人は、頼り甲斐がいい感じがあるし、アスリートからはポジティブなパワーを感じます。それが『鍛』。『純』はピアリティ。純粋なものにしていく。いわゆる選択と選別ですね。選び抜くと特徴的なものがアイコニックに見えてきます。その特徴あるアイコニックなものを純粋に残していく。そういう意味で、今後の三菱のクルマはどんどん、どんどんシンプルになっていきますよ。シンプルだけど、”何がやりたいか”が明確にわかるデザイン。ELEVANCE Conceptでいえば、誰もが自信をもって、一歩先に踏み出すことができ、未知なる冒険に挑戦したいという気持ちを後押しすることをデザインで表現してみたつもりです」

 三菱が今回のショーで展示したELEVANCE Conceptは、三菱が目指す今後のビジョンが詰め込まれた、珠玉の1台と呼べるのかもしれない。


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藤田竜太 FUJITA RYUTA

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