こんなハイエースやタウンエースがあれば誰でも配送業務に従事できる! トヨタ&ダイハツの未来の働くクルマ群の目指すところが激熱だった【ジャパンモビリティショー2025】 (2/2ページ)

「カヨイバコ・コンセプト」を基本にさまざまなサイズ展開を想定

 そしてもうひとつの注目ポイントが、車高調整機構を装備して乗降性を高めている点です。この2025verの展示車両では、障害や衰えなどで荷運びに従事できない人にも就業できる機会を与えるというコンセプトでまとめられているので、開口部の拡大とともに車高を下げるというバリアフリー機構は重要な要素になります。

 装備されているスロープは、国が定めている車いす用の傾斜に則っているそうで、エアサスを装備したカスタム車両のように地面すれすれまで車高が下げられていました。このあたりの設計はまだ煮つめが残っているでしょう。

 そして、ハイエース・コンセプト同様に助手席は外されて、フロアは前から後ろまでフルフラットになっています。この点は、車いすや補助ロボットが荷物の積み降ろしで移動する際に必須な仕様です。

 また、勘のいい人は気付いているかもしれませんが、この車両では運転席のフロアもフラットになっているんです。そして運転席が固定されている箇所には、補助モビリティの「walk me」が鎮座しています。つまり、現状は足に障害をもつ人は車いすで移動していますが、4足歩行のロボット・モビリティがそれに代わって移動の補助を行い、より行動範囲やできることを拡張するという提案が行われています。

 さらにステアリングを見てみると、一般的な円形のタイプではなく、U字形のコントローラータイプになっていました。これは「ネオステア」とトヨタが呼ぶ新しいユニバーサルデザイン発想の操作デバイスで、ここにブレーキやアクセルなどの操作に関する機能が集約されています。そのため、脚に障害をもつ人でも健常者と同じようにクルマの運転が可能となります。

 この「ネオステア」は他のモビリティにも使用されていて、今後の有効な選択肢のひとつになりそうな気がします。

 このシステムなら、運転手が自身で「walk me」に乗って運ぶこともできますし、搭載した補助BOTの「CHIBIBO」にコマンドを送って運んでもらうこともできるそうです。

「カヨイバコシリーズ」は、この「カヨイバコ・コンセプト」を基本に「ハイエース・コンセプト」や、ダイハツの「KAYOIBAKO-K」など、いろいろなサイズの展開が想定されているようです。そして、クルマから先の“ラストワンマイル配送”のための支援モビリティ群を含めて、今後いろいろな車種のバリエーションとして姿を現すでしょう。


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往 機人 OU AYATO

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