ラリージャパンでのコバライネン選手の走りを目に焼き付けよう
──コバライネン選手はフィンランドやイタリアなどヨーロッパでもラリー経験がありますが、それと比べて全日本ラリー選手権はどう思いますか?
コバライネン選手:全体的に日本のSSは低速コーナーが多く、道幅も狭くなっていますが、フィンランドのグラベルやイタリアのターマックは道幅が広く、高速コーナーが多いですね。
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──今回のラリージャパンが日本での最後のラリーということですが、なぜ、日本でのラリー活動を辞めることにしたのでしょうか?
コバライネン選手:日本への移動には時間がかかりますからね。それに、フィンランドに家族がいると日本に頻繁に行くのが大変ですし、以前から息子には父親といる時間が必要だと感じていました。息子が2歳になって、いろいろなことを理解し始めてきたこともあって、それで2025年を最後のシーズンにすることにしました。スーパーGTを含めて日本で活動することはとても楽しかった。たくさんのファンに会えたし、友人を作ることもできましたが、来年はまた違うことにチャレンジしたいと思います。もちろん、日本でラリー活動をすることは、このラリージャパンで最後になりますが、テレビのF1解説の仕事で日本グランプリに来るかもしれません。個人的にはときどき日本に来たいと思っています。
──ラリー・ジャパンを迎えてどのような心境ですか?
コバライネン選手:とてもいい気もちですね。もちろん、WRCは大きな大会で、優秀なチームとドライバーが日本にくるので、厳しい戦いになると思います。私たちは小さなチームですが、それでもベストを尽くしたいと思います。
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──ラリージャパンの目標は?
コバライネン選手:リザルトを予想するのは難しいですが、最高のパフォーマンスを発揮したいと思います。できる限りプッシュして、クリーンなラリーをしたいですね。
──来年のプランはありますか?
コバライネン選手:まだ確定していませんが、イタリアのターマック選手権に参戦する可能性があります。現在、チームと交渉中で、イタリアが次のステップになるかもしれません。
──日本のファンにメッセージをください。
コバライネン選手:長年に渡って、スーパーGTと全日本ラリー選手権で応援してくださった皆さまに心から感謝します。そして、チームアイセロ(注:現在の所属チーム)の皆さんにも心から感謝します。私たちは非常に成功したパートナーシップを築くことができました。おかげで日本での活動はとても楽しかったし、多くのファンと会えたのも嬉しかった。次はもしかしたらF1の日本グランプリで会えるかもしれませんし、全日本ラリー選手権に行くことがあるかもしれませんが、まずは、今週末のラリージャパンでベストを尽くしたいと思います。
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これまで筆者はスーパーGTや全日本ラリー選手権でコバライネン選手を取材してきたが、筆者の拙い英語の質問にも丁寧に答えてくれる紳士的なドライバーであり、またコースサイドで撮影していても彼のアグレッシブな走りにエキサイティングしてきた。彼のドライビングを日本で見ることができるのも、このラリージャパンが最後になると思うとやや寂しい気もちだが、コバライネン選手がラストラリーでどのようなパフォーマンスを見せるのか、その動向に注目したい。