この記事をまとめると
■日本でも一部エリアにおいてライドシェアサービスが始まっている
■海外では一般的で広く利用されているので珍しい存在ではない
■日本のライドシェアの条件は厳しいのでもっと広めるには制度の見直しが必要だ
日本においてライドシェアはまだまだ珍しい存在
月に何回か、早朝に自宅から近くのターミナル駅までタクシーを利用するために、スマホの配車アプリでタクシーを呼ぶことがある。そのとき画面には、ライドシェアが稼働していることが表示されているが、配車されるのはタクシーばかりでここ半年でライドシェアが配車されたのは1回のみであった。しかし先日、2回目となるライドシェア車両がマッチングした。
9月下旬に南カリフォルニアを訪れたときにライドシェアを使用した際、現地で世界標準になりつつあるスタートアップ企業が運営する配車アプリに登録した自家用車を用いて、旅客輸送を行いたいという一般ドライバーとそのような車両を利用したいという人をマッチングさせるサービスを経由する必要があった。
マッチングすると車種名やボディカラー、ナンバープレートが画面上に表示された。それとともにドライバーの顔写真も表示される仕組みだ。日本人では眉をひそめるかもしれないが、地元の人からはマッチングしたドライバーの人種次第でキャンセルする人もいるとの話も聞いたことがある。一方で、治安の観点から、自己防衛のためにも顔写真表示は大切だと感じる人も多いようだ。
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日本のライドシェアはタクシー会社が運行管理し、タクシーの補完的存在となっているところが海外と大きく異なる。ドライバーはタクシー会社に雇用され業務についている形だ。
日本で最初にマッチングしたライドシェアは、14代目のトヨタ・クラウン アスリートであったが、今回は初代ホンダ・フリードであった。電動スライドドアを採用していたが、タクシーではないので開閉操作は利用者が行う。タクシー運転士の場合は、同じ目的地でも、余分に料金が掛かる迂回走行にならない範囲で、それぞれの運転士により走行ルートが異なったりもするが、ライドシェアはタクシーのようにメーターはなく、マッチングした段階で料金が確定。ルートは装備しているカーナビに従って目的地まで運んでくれる。「?」と思うルートを通ることもあるのだが、事前に料金が確定しているので、筆者はそれほど気にはしていない。
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たった2回の利用で傾向を語ることはできないが、2回ともドライバーは若い男性であった。タクシー運転士の給料は歩合給の割合がかなり高く、稼げば稼ぐほど身入りもよくなるのだが、ライドシェアドライバーは時給制が多い。時給制ということと、タクシー会社が運行管理しドライバーとして雇用されるので、ライドシェアでは従事しているときのリスクがそれほど高くなく、若年層がまさにアルバイト感覚で従事しやすい仕事といえそうだ。
もちろん、運営する事業者個々で、どのような人をドライバーとして雇用するのか、傾向が変わることもあるが、南カリフォルニアで乗車したライドシェアドライバーは意外なほど年配の男性が目立っていたので、日本におけるライドシェアのドライバーが対照的に見えた。
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