日本人初の快挙! モリゾウこと豊田章男会長が「黄金のステアリング」を手にした

この記事をまとめると

■豊田章男会長にゴールデン・ステアリング・ホイールが授与された

■ゴールデン・ステアリング・ホイールは欧州でもっとも権威ある賞のひとつとされている

■2025年度は12の車両と名誉賞として豊田章男会長が選出されている

欧州でも認められる「ゴールデン・ステアリング・ホイール」賞

 ときにトヨタの会長として世界有数の自動車メーカーを率い、またときにひとりのクルマ好きとして「モリゾウ」を名乗ってモータースポーツに挑むなど、さまざまな活動を通してクルマ業界の発展に尽力している豊田章男会長。そんな豊田章男氏の生涯の功績に対し、「ゴールデン・ステアリング・ホイール」が授与されたそうだ。

 ところで、ゴールデン・ステアリング・ホイールってなんだ?

 もちろん、ただの金のステアリングホイールが贈られたというわけではない。ゴールデン・ステアリング・ホイールとは、ドイツのタブロイド紙「ビルド日曜版」および自動車専門誌「オートビルド」が主催する自動車賞で、1976年に創設されて2025年で49年の歴史を誇る、欧州自動車業界でもっとも権威のある賞のひとつとされている。もともとは、専門家や著名なドライバーからなる審査員による2日間のテストドライブを経てもっとも優秀と認められた車両に与えられていたものであり、1983年からは特別な功績を挙げた人物にも名誉賞として授与されるようになったそうだ。

 ちなみにゴールデン・ステアリング・ホイールは、アワードが細分化されているのも特徴で、「コンパクトクラス」や「ラグジュアリーカー」「スポーツカー」などはもちろん、なかには「ファミリーカー」「中古車」「2万5000ユーロ以下のベストカー」など、2025年度は12のクラスわけがされていた。2025年度のそれぞれの受賞車は以下のとおり。

小型車:オペル・モッカ GSE
コンパクトクラス:フォルクスワーゲン・ゴルフ GTIエディション50
ミッドクラス:クプラ・テラマール VZ 1.5 e-Hybrid
アッパーミドルクラス:フォルクスワーゲンID.7 GTX ツアラー
アッパー/ラグジュアリークラス:BMW M5ツーリング
スポーツカー:ポルシェ911 GT3
ファミリーカー:フォルクスワーゲン・タイロン
中古車:メルセデス・ベンツCクラス
2万5000ユーロ以下のベストカー:ヒュンダイ・インスター
4万ユーロ以下のベストカー:フォルクスワーゲンT-Roc
5万ユーロ以下のベストカー:メルセデス・ベンツCLA
最優秀イノベーション賞:BMW iX3

 ドイツの賞レースなだけに選ばれるクルマもドイツ車が多いのはお察しいただくとして、過去にはトヨタ・スープラやマツダ・デミオ(マツダ2)などの日本車も受賞している。また、これまでの名誉賞の受賞者も、ヘンリー・フォードやフェリー・ポルシェ、ミハエル・シューマッハ、イーロン・マスクなど錚々たる面々で、日本人の受賞者は過去に前例はない。

 ここに名誉賞として名を連ねることになったのが、モリゾウこと豊田章男会長というわけだ。その受賞理由は、トヨタという組織を率いている豊田章男氏の能力を認めるだけでなく、モリゾウという情熱的な自動車愛好家であり、またトヨタ・レクサス・GR・ダイハツのマスタードライバーとしての同氏の役割を高く評価してのことだという。混迷を極める社会情勢で投資家のなかには、「企業のトップがモータースポーツなんてやってる場合か!」なんて声もあるようだが、そんな野次を吹き飛ばす快挙といっていいだろう。ぜひモリゾウには、これからも精力的な活動を続けていただきたい。

 ところで、気になるのは章男会長に贈られた黄金のステアリングホイールのトロフィだが、もちろんこれは純金製……ではなく残念ながら金メッキを施した真鍮製とのことだ。


この記事の画像ギャラリー

新着情報