毎年オーナーが湘南に里帰りする理由とは
里帰りミーティングは2004年に始まって以来、ファンへの感謝とオーテックブランドをより身近に感じてもらうことを目的に続けられてきたという。今回で18回目を迎えるご長寿イベントであり、メーカー系カスタマイズブランドが主催するユーザー向け感謝祭としては、最長クラスといっていいだろう。
これだけ長い歴史を重ねると、かつて親に連れられて参加していた子どもが、いまでは自分の愛車でエントリーするようになったり、さらにはNMCへ入社する人が現れるまでになっているそうだ。
モノづくり体験ブース画像はこちら
このミーティングを取材して感じたのは、「ユーザーとメーカーの距離の近さ」にあると感じた。参加台数388台と634人の来場に対し、当日は100名を超える社員が運営に携わり、ユーザーと直接対話をする。そのため、会場のあちこちで、社員がユーザーの愛車を前にして語り合う光景が見られた。
ユーザーは製品への愛情や要望を直接伝えられ、社員は開発の裏話やこだわりを共有する。こうした双方向のコミュニケーションこそが、オーテックブランドへの「共感」を自然と深めていくのだろう。
参加者とNMC代表取締役社長兼CEOの真田裕氏画像はこちら
18回開催という積み重ねのなかで、家族だけではなく参加するオーナーや社員同士にも絆が生まれ、コミュニティが自然と成熟しているのがとくに印象的だ。
そしてイベントの最後は、「また大磯で!」の掛け声とともに、社員が総出で参加者をお見送り。
参加者たちも全力で手を振り返す光景には、クルマを中心に生まれた「作り手とオーナーの絆」があたたかい余韻となって漂っていた。もし自分がオーナーの立場だったら、「また来たいな」と思う。
社員のお見送りに手を振り返す参加者画像はこちら
これまでの開催18回という歳月が生んだのは、単なるファン感謝イベントではなく、ブランドを通じて結ばれた「人と人とのコミュニティ」だ。夕暮れの大磯ロングビーチに響いた「また来年!」の言葉が、そのたしかな絆を物語っていた。