なるか大逆転シリーズ王座獲得!? チャンピオン争いが最終戦までもつれ込んだ2025年86/BRZ Cupが第7戦で完全決着 (2/2ページ)

逆転に届かずも意地の走りを示した

 決勝は気温・路温もあがり秋晴れのなかで開催。6位からスタートした井口は、前方4位からスタートするライバルを追いかける展開となるが、抜群のスタートを決めてライバルの横に並び1周目にパス。8位からスタートした奥本も順調に追い上げるが、他車と接触という裁定がありペナルティをもらってしまう。さらに、相手がコースサイドに止まったことでSC(セーフティーカー)が出動することになった。

 レース再開後もすぐに再びSC出動となりパレードラップとなってしまう。最終ラップでSCランは解除されるが順位の変動は起きず、井口4位、久保8位、奥本はペナルティで29位、小暮24位となった。井口は4位でフィニッシュしたが、ライバルが5位でフィニッシュしたことで、逆転チャンピオンには惜しくも届かなかった。

 井口はチーム発足3年目で初年度はチャンピオンを獲得し、その後2年連続シリーズ2位を獲得となった。「今日はクリーンでいいレースができて落ち着いてポジションアップができました。前半勝負の空気圧だったので、中盤でSCが出たのはちょっと辛かったです。後半は冷静にレースが行えましたし、うしろを走るライバルも無理に順位をあげる必要もないので、バトルにはならなかったかなと。でも、自分も負けるわけにはいかないので意地は見せられたと思います」と振り返った。

 久保も冷静にレースを走り8位を獲得した。今シーズンは、ニュルブルクリンク24時間レースと1戦が重なったことで不参加はあったことと、十勝大会で不可解なペナルティが出たことでポイントが取れなかったことはあったが、そのほかの参加した全戦でポイントを獲得した。

 奥本にとって、今回のレースは残念な結果となったが、ダンロップタイヤとのマッチングに苦しんだ時期もあったものの、占有走行でトップを獲るなど成長著しい1年となった。また、今シーズンはチームタクティに加入し、のびのびと自由にマシンの開発やセットアップ、走行を行ったことで成長著しい1年となった。

 それでも、「最後のレースはもっと上で走れたはずなので、混戦になる場所を走っていたことでペナルティをもらってしまったことは自分のミスです。もっと上位で走れるようにしたいです」と反省していたが、井口・久保という先輩に揉まれながらも好走していた。来年への成長を期待したい。

 レカロレーシングから参戦している小暮卓史は「何年やってもなかなか難しいレースです。今シーズンはセットアップやメンテナンスを富士スバルのスタッフが担うことになり、成長のために勉強していく時間も多かったけれど、富士スバルのスタッフがエンジニアやメカニックとして成長しているのがわかったし、全国のディーラーから派遣されてくるメカニックさんにとってもいい勉強や経験となっているので、次に繋がっていくと思います」と語ります。

 一方のクラブマンクラスには、38号車松田大輝、270号車江原聖洋、610号車田中優樹の3台のプライベーターがBRZでエントリーした。とくに、610号車田中は新潟スバルの営業マンとして働くなかでコツコツと参戦準備を進めて、今大会にエントリーした。残念ながら予選落ちのコンソレーションレースの参加となったが、レース自体を楽しんでいた。

 国内トッププロが集結するTGR GR86/BRZ Cup 2025年シーズンは幕を閉じたが、来シーズンはどのような戦いが見られるのかいまから非常に楽しみだ。


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