アルファードの中古価格が下落……いや、やっと適正になった! それでも買うなら「現行の中古」より「先代モデル」がオススメなワケ (2/2ページ)

先代後期型が「買い」といえる理由

 もっとも、現行型のアルファードの中古車は、絶対的に見てまだまだ高価。2024年式のハイブリッドZで600万円台になる。そこで、すぐに安くアルファードに乗りたいなら、やはり先代の中古車はどうだろうか。一般人からすれば、パッと見現行型と大きく変わるところはない。

 とくに2018年のマイナーチェンジ以降のモデルはおすすめできる。このタイミングで、内外装のリフレッシュが行われ、フロントマスクが立体表現を強めたよりダイナミックでアグレッシブな表情となり、それまでなかった最上級のエグゼクティブラウンジのエアロ仕様が追加され、さらに第2世代のトヨタ・セーフティセンスが全車に標準装備された。

 このマイナーチェンジでは走行性能についても進化し、全車のダンパーに微低速から高減衰を出せる新バルブを採用。操縦安定性を高めフラつきやビリビリした振動を低減している。そのほか、Aピラー、スライドドアまわりに構造接着剤を追加して剛性を高めるだけでなく、トヨタ最上級ミニバンにふさわしい静粛性を確保するため、ダッシュボード、フェンダーライナー、スライドドアステップ内部などに吸音材を張りめぐらし、ドアミラーベースの形状を変更するなどして約4%の静粛性向上を果たしているのだ。

 主力の2.5リッター直4エンジン+2モーター、電気式4WDのHEVモデルとともに、ガソリン車のトップグレードに積まれる3.5リッターV6エンジンは国内初搭載の301馬力、36.8kg-mの新ユニットとなっている。したがって、全車ともに走りのスムースさや静粛性、運転支援機能が高まり、V6エンジン搭載車は力強さも増したことになる。

 ところで、自動車に詳しく数多くの輸入高級車も所有する筆者の知り合いの会社社長は、2022年式の先代アルファードに乗っているのだが、新型と2列目席の快適性を比較したところ「大きな違いなし」という結論に至ったという。先代アルファードの最終モデルとなる2020~2022年式であれば、いまや中古車価格は300万円台に落ち着いているから、中古車の台数も多く、買いやすくなっているのが実情ではないだろうか。

 最新型にこだわらなければ、先代後期型ならいまでも堂々と乗れ、満足度も高いと思える。そしてしかるべきタイミングで現行型に乗り換えれば、アルファードの進化ぶりをより強く実感できるだろう。


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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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Yuming

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