【試乗】高級感たっぷりで燃費がよくて悪路にも強く災害時も活躍! おまけに走りも楽しいアウトランダーPHEVはクルマの理想の姿そのものだった (2/3ページ)

7つのドライブモードで走りは自由自在

深山:そうそう、私はクルマを運転するときってだいたい音楽を聞いているんですよ。で、いまこのスピーカーのところに「ヤマハ」ってロゴが目に入ったんですけど、これはやっぱり音もいいんですか?

中谷:これはすごいらしいですよ、Dynamic Sound Yamaha Ultimate。これね、開発者がこだわって最高の音に作り上げたそう。自分で運転するときに好きな曲をかけて音質とかちょっと確かめてみてください。スピーカーのこのカバーもすごくお洒落でしょ?

深山:インテリアのワンポイントにもなってますね。あと、私はこのダイヤル式のスイッチが気になってるんですけど……。

中谷:これはドライブモードを選択するドライブモードセレクターですね。デフォルトはNORMALモードなんですけど、例えばTARMACモードというのはワインディングの舗装路でけっこう曲がりくねった道を気もちよく走れるっていうモード。GRAVELモードっていうのは悪路ですね。砂利道とかでこぼこ道みたいなところで四輪の駆動力を最適にしてくれる。SNOWモードは雪道で滑りやすいところ。ここでも四輪の駆動力を最適にしてくれる。さらにMUDモードっていうのがあって、砂浜や砂漠みたいなところやぬかるんだ泥濘路みたいななかなか脱出ができないようなところで使います。そのほかにもECOモード、POWERモードもあって、それらを含めると全部で7モード。どんな道でもこの安定感を保ったまま走れるというのがこのクルマの特長ですね。

深山: 7つもモードがあったらどれにしていいかわからないです。

中谷:基本的にはNORMALモードにしておけば、路面状況にあわせて最適な駆動力配分とかステアリングの特性を選んでくれますよ。普通に走ってるときは雨でも雪でもNORMALモードで十分ですね。それと、このドライブモードセレクターの前方にあるEVってボタンを押すと、バッテリー残量を維持するか、充電するか、EV優先にするかって選べるんですけど、いまこれをバッテリーチャージモードにしたらエンジンかかったでしょう。

深山:あ、少しだけエンジン音が聞こえますね。

中谷:これね、エンジンを回して発電機でバッテリーに充電してるってモードなので、バッテリーが減ってきてもっと電気で走りたいよというときは、充電することもできちゃうんです。

深山:走りながら充電ができるってことですか? 便利で効率的ですね。あ、いまはもうEV?

中谷:EVですね。よほど荒っぽい運転するとか、グッとアクセル踏み込んだりしなければ、多分一般道じゃもうエンジンがかかることはほぼないですね。これから高速道路を走るんでずっと電気でいけるっていうところも試せます。いまは全国的に見ると120km/h区間のところもあるじゃないですか。他車だと100km/hくらいでガソリンに切り替わるけど、アウトランダー120km/h区間でも電気の力で、力強く走り続けることができますよ。

深山:すごい! じゃあもうほとんど電気で走るんですね。EVボタンの横にあるスイッチはなんですか?

中谷:これはワンペダルモードのスイッチです。これを押すとアクセル離したときにブレーキがかかる。で、いちいちブレーキペダル踏まなくても、たとえば減速したいなというときにアクセルだけ戻せば減速ができるんですね。最初は違和感あるかもしれないけれど、慣れるとすごい便利。

深山:すごい! ラクチンそう。あ、そろそろ高速道路の入口。……高速道路に入りました。高速道路でもやっぱりすごい静かなんですね。

中谷:そう。ここでもEVモードですね。そのモーターが前だけじゃなくて後ろにもついていて……。

深山:前後にあるんですか?

中谷:前後で別々にモーターが付いていて四輪駆動の電気自動車として走っている。

深山:じゃあ加速もすごくいいんですか?

中谷:めっちゃめっちゃいいですよ。電気モーターというのは最初の回転から最大トルクが出せるんですね。ガソリンエンジンだと、たとえば1000回転、2000回転、3000回転ぐらいでやっと最高のトルクが出るんだけど、EVの場合は最初の回転からそれを出せるので、自由自在にそこはエンジニアが設計できるんですよ。だけど、あまり急に加速するとみんなびっくりするから、いかにスムースに加速させるかという制御が難しい。このクルマ、スムースじゃないですか?

深山:本当に空を飛んでるような浮遊感というか、すごい気もちいいですね。

中谷:直進安定性っていうのが四輪駆動ってすごくいいんですよね。4つのタイヤにそれぞれ駆動力がかかって、路面のうねりとか横から吹いてくる風とか、そういったものに対して抵抗力がすごく強くて、まっすぐ走りやすいんですよ。

深山:安定感はすごいあるなっていうのは感じます。

中谷:そこはフロアにバッテリーがあって、それが重心を下げてくれるので。これSUVで車高も高いんですけど、重心の低さと四輪駆動のダブルで安定感が高くなる。

深山:それが静かなのと乗り心地のよさにも繋がっているということなんですね。

中谷:あと、これ。S-AWC、スーパーオールホイールコントロール。これは三菱独自の四輪制御技術で、単なる駆動力配分だけじゃなくて、直進性とか回頭性とか、走る曲がる止まるといったいろんな状況に応じた最適な制御を自動的にしてくれるシステムなんですね。これってガソリンエンジンだと制御が難しいところがあったんですけど、電気モーターで最初の回転から最大トルクが出せるっていう特性を利用して、本当に緻密で思いどおりの制御ができるようになった。

深山:へぇぇぇ。

中谷:だからS-AWCの制御も、三菱のエンジニアがいままですごく苦労していた部分なんですが、電動化で自在にできるようになったということで、これはぜひ乗って走って試してもらいたい部分ですね。

深山:楽しそう。聞いただけで運転したくなりますね。

中谷:いつでも代わりますよ。

深山:本当に新しい時代の乗りものなんだなって思います。


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