ファンのアツい愛で冬の寒さがふっとんだ「Modulo 無限 THANKS DAY 2025」! 集まった400台超のなかから気になる愛車のオーナーにその魅力を聞いた (2/4ページ)

オーナーに愛されているクルマがミーティングエリアに集結

 まずは、今回の開催でエントリーできるようになった、「無限」枠のエントリー車両から見ていこう。

クルマ:CR-Z 無限RZ
オーナー:橋蔵(はしぞう)さん

 最初に紹介するのは、スポーティな専用フルエアロと、鮮やかな専用色のアズールブルーメタリックに身を包んだ、橋蔵さんの「CR-Z 無限RZ」だ。このモデルは、「CR-Zベースで、誰もが熱い走りを楽しめるクルマ」として、無限がもつレース活動のノウハウと情熱を市販車に落とし込んだ300台限定のコンプリートカーである。

 以前は無限PRO2キット装着車の2代目CR-Xに乗っており、現在もオーナーズクラブでの交流があるという橋蔵さん。現在はこのCR-Zと、吸排気や外装もフル無限(前後ロアバンパーは英国無限製)の8代目シビックタイプRユーロとの2台体制という、生粋のホンダ&無限ファンだ。

 インテリアは、ボディカラーと調和するブルーのシートやドアトリムだけでなく、専用装備が目白押しだ。無限RZの大きな特徴であるスーパーチャージャーのブーストメーター、ブルーステッチの小径ステアリングとシフトブーツ、シリアルナンバー入りのプレートなど、手の込んだ贅沢な内装となっている。

 また、ブルーステッチのひじかけは、複数のカラーバリエーションをもつ他グレードのものをさりげなく流用している。橋蔵さんのセンスが光るポイントだ。

 気に入っているところは、橋蔵さんが好きなCR-Xの意匠を感じるリヤスタイリングとエクストラウインドウだという。後席の室内空間と引き換えに得られる尻下がり感と左右の絞られ感は、クーペらしさを引き立たせる贅沢なスタイリングであり、どこか未来的な雰囲気を感じさせる。

 維持で苦労するポイントは、エクステリアの専用部品であるカーボンパーツが日焼けしてしまうことなのだとか。リヤウイング(在庫のラスト1品)とフロントグリルは新品に交換しており、もともと装着されていた部品はクリア塗装のためにショップに預け、作業が完了したらスペアとして保管しておくという。

 ここで筆者の脳裏にぼんやり浮かんだのは、方向性こそ違えど同じ2ドアのハイブリッドモデルとして登場した新型プレリュードだった。スーパーチャージャー搭載の専用エンジンに3ペダルマニュアル、軽量コンパクトに専用の内外装というパッケージに心が踊るのは筆者だけではないだろう。橋蔵さんは最後に、「現状維持で、なるべく長く乗り続けたいです」と、このクルマがほかに代えがたい存在であることを語った。

クルマ:ビート
オーナー:かずさん

 次に紹介するのは、息子さんとエントリーした、かずさんが所有するオープン2シーターの「ビート」だ。現在では廃盤となった、無限製のツインループマフラーを装着されている。

 このほかにも、初代トゥデイの後期型、奥さま用の2代目バモス、スーパーGT観戦用の2代目ステップワゴンの計4台を所有しているという。初めての愛車は5代目プレリュードSiRで、そのあとはサーキット用の2代目CR-Xを10年ほど走らせながら、数多くのホンダ車を乗り継いできたという根っからのホンダ党だ。

 最近このビートは、マニュアル免許をもつ娘さんが主に乗っているそうで、「オープンで走るのが気もちいい」とハマっている様子。友達を駅に迎えに行く際には、ビートから若い女子が降りてくる光景に周囲から注目を浴びるそうだが、それすらも楽しんでいるんだとか(笑)。

 維持における現実的な問題のひとつとして、雨漏りがひどかったので、米国ロビンス社製のキャンバス素材+ガラス製リヤスクリーンの幌を奮発して導入したという。ロビンス社は、旧車のホンダS500からマツダ ロードスターやS2000といった現代のクルマまで、500種類以上の補修幌を手がける創業1943年の老舗メーカーで、ビート乗りの間ではキャンバス幌の選択肢として定番化しつつある、憧れのメニューのひとつだ。

 ほかのクルマと比べれば明らかに手間がかかったり不便なことも多いけれど、このビートは息子さんと娘さんから愛車のなかでもとくに人気であり、かずさんがすすめることなく子どもたちが自然とビートが好きになっているというから驚きだ。

 このイベントでたくさんのクルマやパーツを見て、開発側の思想に触れた参加者は、クルマ自体を好きにならなくとも、クルマをつうじてモノづくりの奥深さや好奇心の大切さが伝わっていくだろう。

 また、リヤまわりを見てみると、無限製のツインループマフラーが装着されていた。ステンレス製になることで軽量化と防錆性向上はもちろんのこと、ツインループ構造により低速域を含めた全域でのトルクアップが狙える。純正同等の音量で疲れにくくも軽快な音色を奏でる優等生マフラーでもあり、廃盤となった現在でも人気のある逸品だ。

「ゆくゆくは息子にこのビートを譲りたいです」と語るかずさんは、カスタムするにあたって息子さんと意見が割れることがあるので、一緒にパーツ選びを話しあって決めているという。息子さんはもっと音量のあるマフラーがほしいとのことなので、きっと将来は快音を奏でながら、ビートを乗りまわしてくれることだろう。


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