時には市販車以外のモデルも投入
NSXは、2005年に生産を終了したあともGT500クラスへの参戦を続けたが、車両規定の変更に伴い、NSXは2009年をもってGT500クラスを勇退。代わって2010年よりホンダの主力モデルとなったのが、レース専用モデルのHSV-010だった。
通常、スーパーGTのGT500クラスでは、プロモーションおよびマーケティングの一環として市販モデルをベースに競技車両が開発されているが、当時のホンダにはNSXの後継モデルが市販のラインアップにない状態だったことから、試作モデルをベースにGT車両が開発された。
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ミッドシップのNSXに対して、HSV-010はホンダのGTマシンとしては初のFRモデルとなったが、そのパフォーマンスは高く、小暮卓史選手/ロイック・デュバル選手が2010年のドライバー部門でタイトルを獲得した。その後もHSV-010は2013年までGT500クラスで活躍。
そして、2014年の車両規定の変更に合わせて登場したのが、2016年の市販化が決定されていた二代目NSXで、2018年に山本尚貴選手/ジェンソン・バトン選手がタイトルを獲得。
さらに2020年には規程変更に合わせてNSXもミッドシップからFRへレイアウトが変更されたものの、抜群の安定感を見せており、山本選手/牧野任祐選手がドライバー部門でチャンピオンに輝いた。
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このように、市販モデルのラインアップにない競技用モデルを投入しながらもGT500クラスで活躍してきたホンダは、前述のとおり、2024年にシビックタイプRを投入したが厳しい戦いを強いられていた。そのため、2026年は冒頭でも触れたとおり、ホンダは新型プレリュードをGT500クラスへ投入する。プレリュードGTがどのようなパフォーマンスを見せるのか、GT500クラスの勢力争いを塗り替える可能性をもつだけに、2026年もスーパーGTに注目したいものだ。