圧倒的なスノー性能を発揮
ホンダのミドルクラスSUVであるZR-Vは、e:HEVによるモーターが駆動トルクをタイヤに伝え、軽快だがグイグイと豪快に雪煙を巻き上げて突き進む。なるほどブリザックWZ-1の特性がもっとも出ていると確信したのが下り坂でのブレーキ性能の高さで、そこが安心感につながる。
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路面状況がスノーからアイス、硬いアイスの轍、シャーベットとひとつのコーナーに進入する手前からあらゆる変化を遂げるが、WZ-1はそれに逐一対応する。ブレーキングで路面を噛むような急減速に、ステア操作した際の前輪の正確な応答性。後輪も路面を掴んで踏ん張るから横方向への流れ、滑りに挙動変化しない点もじつに頼もしい。
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ブリザックといえば路面とタイヤの間にある水膜を除水、吸水する「発泡ゴム」が代名詞。WZ-1ではそれが「Wコンタクト発泡ゴム」に進化した。これは「親水性向上ポリマー」なる新素材によりゴムが水に触れると「覚醒」 、つまりグリップ力を発生させる。氷と水にコンタクトする意味からWコンタクトである。WZ-1がスノー性能に特化したことは、旭岳に向かう峠の往復でも感じられる。
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試乗車のなかではサイズ的にもっとも難しいと思うのが、軽のN-BOXである。路面の轍に幅が合わず、その轍に左右されながら、ステア操作に正確に応答する、つまり曲がるからリヤは若干流れるが、その変化の速度が軽自動車であるにもかかわらず穏やかでコントロールしやすいことに驚いた。
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冬用スタッドレスタイヤでありながら、ドライ路面での操縦安定性も文句ないことはすでに確認済み。ブリヂストンからはロングライフ性の高さも強調されているから、1年中履きっぱなしも可能なのか!? 耐摩耗性について、実際の数値はこれからだが、真夏の走行であれだけしっかりした操縦安定性があるのだから、3〜4シーズンといわれた性能維持がどう変化したのかも楽しみだ。
桂 伸一さんとブリザックWZ-1を装着したホンダZR-V画像はこちら
20年前、当時の愛車メルセデス ベンツB200ターボに、ブリザックREVO1を夏から履いて耐摩耗テストしたことが蘇った。