この記事をまとめると
■オープンカーやMT搭載車で速さを追求したモデルは少ない
■1842馬力を6速MTで操るヘネシー・ヴェノムF5-Mはその常識を打ち破る存在だ
■速さより操る歓びを突き詰めた究極の3ペダルのオープントップスーパーカーである
オープンでもMTでも最速を目指す
スポーツカー、ひいてはスーパーカーでも、極限まで運動性能を求めるモデルでオープンボディが採用される例はあまり多くない。オープントップはクローズドに比べてボディ剛性が落ちるし、最高速度を担保するのが難しいからだ。
そして、オートマチックトランスミッション、あるいはDCTが劇的に進化した昨今では、「速さ」を求めるクルマではほとんど3ペダルMTが設定されなくなった。
オープンカーで、しかもMT。それでいて究極的に速い。そんな相反するともいえる贅沢を1台で実現するモデルが、「ヘネシー・ヴェノム F5-M ロードスター」だ。このオープンカーは、なんと1842馬力という途方もないパワーを6速MTを通じて大地へと伝える。
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もともとチューニングメーカーとしてスタートしたアメリカのヘネシー・スペシャル・ヴィークル社は、自社ブランドのスーパーカー「F5」を発表。カーボンモノコックで構成されるボディに1842馬力を発生する6.6リッターのV8ツインターボエンジンを搭載するこのモデルだが、トランスミッションは7速セミATのみの設定だった。
ヘネシー社のCEO、ジョン・ヘネシー氏は、かねてより「MT仕様のF5を作りたかった」のだという。その言葉どおり、F5のオープンモデルをベースに、6速MT仕様を本当に作ってのけてしまったのだ。新たなトランスミッションとギヤ比に合わせてエンジンはセッティングを変えられるが、前述のとおり1842馬力という最大出力はもちろんそのままだ。
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エクステリアはベース車を踏襲するが、ルーフのエアスクープから後方に伸びる巨大なフィンが最大の識別点となる。WECに参戦するハイパーカーのようなこのフィンは、レーシングカーよろしく超高速域での安定性を担保するためのもので、その終端にはアメリカ国旗が輝く。
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インテリアにはMTモデル専用のレイアウトが奢られる。そのハイライトはコクピットの中央に鎮座するシフトまわりで、往年のフェラーリを思い出させるようなアルミニウム製のゲートが象徴的だ。この流れるようなデザインのセンターコンソール自体が、F5-M ロードスター専用のレイアウトとなる。
ヘネシー・ヴェノム F5-M ロードスターのインテリア画像はこちら
まさしく「世界最強のオープンカー」であり、同時に「世界最強のMT車」でもあるヴェノム F5-M ロードスターは265万ドル、現在の為替では日本円にして約4億2000万円のプライスタグを掲げるが、こういったスペシャルなスーパーカーの常で、販売予定数の12台のオーナーは正式発表前に決まっていたようだ。