イギリスに2シーターのジムニーがあったってマジか! 排ガス規制をまのがれる苦肉の策の「商用ジムニー」がむしろ欲しくてたまらん!!

この記事をまとめると

■スズキ・ジムニーは世界で展開されている

■イギリスでは排ガス規制の影響で2年で販売を終了してしまった

■再販を求める声に応えてイギリスでは限定車として商用モデルのジムニーを展開した

イギリス仕様のジムニーが超硬派だった

 日本を代表するクルマの1台といっても過言ではないのが、スズキ・ジムニーだろう。軽自動車という日本独自の規格に収まる、660ccという小排気量エンジンを搭載するミニマムなクルマでありながら、世界の本格オフローダー顔負けの強靭なラダーフレーム構造をもち、道なき道を進んでいく姿はまさに小さな巨人だ。

 そんなジムニーは、誕生から55年以上経っており、現在販売されているモデルで4代目。日本のみならず世界中で展開されている。ただし、660ccという排気量は日本だけなので、海外では1.5リッターエンジンを搭載する、日本でいうところのジムニーシエラがジムニーとして扱われている。

 その海外で展開されているジムニーに、ちょっとユニークなモデルが存在して”いた”ので、紹介したい。

 それが、イギリスで展開されていた、ジムニーLCVだ。LCVとは、「Light Commercial Vehicle」の略。つまり商用車を意味する。そう、現行型ジムニー(といってもシエラだが)になんと、商用モデルが存在していたのだ。

 商用車なので2シーターなのはもちろん、運転席とラゲッジは鉄格子で仕切られており、見た目は超スパルタン。まるで軍用車を彷彿とさせる仕様だ。ラゲッジ容量は863リッターとしており、現地で展開されていた乗用モデルの最大値(リヤシート収納時)より30リットルほど多い計算になるという。

 さらに、ドライブトレインの仕様も硬派で、エンジンは1.5リッター直4の自然吸気エンジンで、ミッションは5速MTのみを設定。車重は1095kgとのことで、普通に乗るぶんにはそれほど力不足に感じることはないだろう。なお、クルーズコントロールや先進安全装備は用意されているとのこと。

 2代目ジムニーのJA型ではバン仕様が設定されていたので、往年のジムニーマニアからしたら惹かれる仕様ではないだろうか。現に日本ではジムニーを使っている郵便局もあるし、JAFもジムニーを導入していたりするので、こういった商用向けのジムニーは、日本でも一定の需要がありそうだ。もちろん、アウトドアファンにとっても使い勝手がいいモデルになるだろう。個人的には非常に惹かれる1台だ。

 しかし、なぜこんなモデルがイギリスにだけあったのか。それは欧州の排ガス規制の影響がある。

 実際、イギリスではたった2年(2018〜2020年)で現行型のジムニーは販売を終了している。しかし、ジムニーを求める声は現地で非常に多かったそうだ。そこで現地のスズキは、ジムニーを2シーターのLCVに仕立てることで排ガス規制をパスするという荒技に出た。商用車であれば、排ガス規制が当時緩かったという事情を逆手にとって作られた、ウルトラCなモデルなのだ。

 決して、「イギリスに運送会社がめちゃめちゃ多い」とか、「ソロキャン勢が大量にいる」という背景があったわけではない。苦肉の策で出たモデルといえよう。

 ちなみにこのジムニーLCVが販売されたのは2021年7月。価格は日本円で258万円(当時のレート)であった。ただし、極少数の販売だったそうで、現地では相当入手困難なプレミアムモデルだったとか。なので、冒頭で存在して”いた”と表記した。このクルマ、すでに現地では激レアな絶版車となっている。

 ちなみに余談だが、イギリスでのジムニー人気は凄まじい一方で、たった2年しか販売されていなかった事情から、中古車価格は新車時の3〜4倍に跳ね上がっているそう。一説によると、日本円で700万円とか900万円で取引される例もあるそうだ。日本では毎日見るようなジムニーが、だ。

 イギリスには、四駆界の帝王的存在、ランドローバーがあるにもかかわらず、ここイギリスでもジムニーは唯一無二の個性を放っているのであった。


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WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

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