この記事をまとめると
■降雪時のノーマルタイヤによる立ち往生が各地で続発している
■雪に不慣れなインバウンドや非降雪地域の運転者増加が原因
■強制力のあるスノータイヤ対策が求められている
もはや制度面での対応が必要
気候変動が進み酷暑が毎年夏には襲ってくるようになった日本だが、それでも冬になると北海道や東北地方、日本海沿岸部などでは、大雪がたびたびニュースになっている。ドカドカと降ったとしても翌日あたりには気温が上昇し、降り積もった雪が溶けるといったパターンを繰り返すなど、雪の降り方は変わってきているようだ。
テレビの大雪の話題、とくにシーズン初期ではノーマルタイヤを履いたレンタカーなどでそのまま雪山へ突撃して立ち往生しているひとがよく取り上げられている。このような突撃はレンタカーも含む乗用車だけではなく、プロドライバーが運転するトラックでも見受けられるというから驚きである。
とくにここ数年は、雪に縁のない東南アジアから日本を訪れたインバウンドが雪道走行の怖さを知らずにノーマルタイヤで雪山の温泉などをめざすといったことも起きているようだ。
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2026年1月2日夜から3日にかけ、山口県の県境付近の山陽自動車道と広島岩国道路の上り線で降雪による立ち往生が多発し長時間の通行止めが発生した。報道ではノーマルタイヤの車両の走行不能状態が多発したのが原因とされている。降雪地域に住んでいて、「そろそろ雪が降ってきそうだ」と頃合いをみてスタッドレスタイヤに交換するということが問題なく行われるのは日本だけともいわれている。
ある日系タイヤメーカーのひとに昔聞いたところでは、海外にてスタッドレスタイヤを販売可能な地域であっても、日本のようにシーズンオフになったらノーマルタイヤに交換してもらうことが期待できないところが気がかりで、積極的な販売ができないという。
日本ではタクシーやバス事業者では個々の車両の走行距離が多くタイヤ交換頻度も多いので、ウインターシーズンが終わってもそのままにしてスタッドレスタイヤを履きつぶすところもあると聞く。走行距離がハンパなく多いので、それでも梅雨のシーズンまでにはノーマルタイヤへ履き替えることにもなるのだという。
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話を戻せば、そもそも雪とはどういうものかも想像もできないひとへ向けて「雪道走行は危ない」と伝えても、理解してもらうまでには相当な時間など手間がかかってしまう。インバウンドが減少しているとはいえ、世界的に日本旅行の人気が高いなか、日本に居住して働くひとも増えていくと、多種多様な価値観に対応していかなければならなくなるだろう。
そうなると、最低でもレンタカーにはオールシーズンタイヤの装着を義務化するなど思い切った対応が必要となってくるように考えている。もちろんそれですべてのリスクが回避できるとは思わないが、降雪地域へノーマルタイヤで突撃されるよりは、多少なりともトラブル回避にはつながっていくのではないかと考えている。
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現状のスタッドレスタイヤへの履き替えも、法律で時期などが決まっているわけではない。「まわりに迷惑をかけたくない」という日本人ならではの価値観もあり、個々のドライバーが時期を見極めて自主判断で履き替えを行っているのである。
オールシーズンタイヤの一部義務装着を進めながら、スタッドレスタイヤへの履き替えについて、ある程度強制力を伴う基準を設ける必要も今後はあるのではないかと考えている。いままでのように日本人の良心に訴え、曖昧ななか物事を進めようとするのは、社会構造が変化していくなかでは、今後はかなり無理が生じるのではないか。