雪上性能は明らかに向上している
登りのスラローム、折り返してのS字(ともに40km/h)では、CC3のグリップ感が好印象だった。もっちりと雪をつかむ安心感が、3つのタイヤのなかで群を抜いている。対してCC3スポーツは、タイヤ全体の剛性を高めたぶんだけ接地感は希薄になってしまうのだが、操舵レスポンスがよく、結果的に操縦しやすい。50km/hからのWレーンチェンジは切り始めでピタリとラインが決まり、切り返しでの慣性もきちんと止めてくれる。とはいえグリップレベルは、前作CC2と同じくらいだ。
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カントリー路ではRAV4(4WD)を使って、CC3とスタッドレスタイヤの「X-ICE SNOW」を乗り比べた。登坂路(40km/h)で感じたのはCC3の優秀さだ。フルブレーキングでもしっかりタイヤが路面に食いつき、止まったあとの再発進も見事にこなした。
しかし、X-ICE SNOWと比べてしまうと、そのレベルはふた世代前のスタッドレスタイヤといった印象。とくにところどころが凍った下り坂での急制動などは、時速30km/hでもCC3が対向車線側(テスト時は一方通行)まではみ出した。これに対してX-ICE SNOWは、きっちり車線内に収めることができた。その差を大げさに表せば、X-ICE SNOWはドライ路面を走っているかのような普通さだった。
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最後は定常円旋回路で、CC3スポーツとCC2、そしてX-ICE SNOWを乗り比べた。35km/hも出せば滑り出すような、ところどころミラーバーン化した厳しい路面で、圧倒的な安定感を見せたのは当然スタッドレスだ。
対してCC3スポーツは、コントロール性の高さで善戦した。接地感はCC2と同等ながら、横Gにタイヤが耐えるおかげで、舵角がこぶし1個分くらい少ない。また前輪のスリップ量も少ないから、アクセルを少し戻すだけでラインを戻せる。試乗車はアウディA3クワトロだったが、確かにこれならよりハイパワーなS3や、ゴルフGTIにも履かせられそうだ。
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総じて第3世代となったクロスクライメートは、その雪上性能を大幅に高めた。そして同時に、まだもって氷を含んだ路面では、スタッドレスタイヤには及ばないことも確認できた。「意外と走れる」と「安心して走れる」では、まったく意味が違う。それを踏まえてみなさんも、オールシーズンタイヤを賢く活用して欲しい。ミシュランなら「氷も走れる夏タイヤ」を作り出してしまうかもしれないが、まだそれには少し時間が必要だ。