【試乗】待望のグランカングーがやっと日本で発売! 7人乗りの使い勝手と極めつけのオシャレさで案の定最高だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■日本専用仕様で登場した7人乗り「グランカングー」は期待どおりの完成度

■広い室内と多彩なシートアレンジでMPVとしての実用性が高い

■走りの質感も向上し、独自の世界観が魅力の1台となっている

7人乗り・3列シートのカングーが日本上陸

 カングー・ファンにとって待望の、洒落者系ファミリーMPVを狙ってる人たちにとっても待望の、ルノー・カングーの7シーターモデル、“グランカングー”がやっと日本上陸を果たし、走らせてみることができた。2023年秋のカングー・ジャンボリーで初めてお披露目されてからずっと待っていた人のために、先に結論めいたことをお伝えしておこう。「だいじょーぶ。期待どおりです」と。

 そう、今どきCセグMPVの販売シェアはおよそ半分が7人乗りだというのに、本国にはロングボディがあったにもかかわらず、日本には導入されてこなかった。フレンチMPVというカテゴリーを日本に根付かせて、ずっと牽引してきたのに、そこでは後発のシトロエン・ベルランゴやプジョー・リフターに遅れを取っちゃっていたわけだ。

 でも、それにはちゃんとした理由がある。ルノージャポンが、カングー・ファンやフランス好きに間違いなくストン! と刺さるだろう日本専用モデルを、本国に作らせてたからだ。本国には、乗用モデルのグランカングーにダブルバックドアという組み合わせは存在しない。乗用グランカングーとブラックバンパーの組み合わせも存在しない。通常のモデルでは、用意されるボディカラーも限られる。

 日本のファンの多くが望む必須アイテムのようなモノを詰め込んだモデルを企画、本国に提案し、その仕様のための生産ラインを一時的にでも確保させ、特別仕様として日本にもってくる。そういうのって、じつは誰が想像するより遥かに大変なことなのだ。要した時間は“たったの”2年少々。これは熱意の賜物以外のナニモノでもない。賞賛に値すると思う。

 しかも、だ。足もとはブラックの“鉄チン”ホイール。それが特別色のベージュサハラと見事なマッチングを見せて、素っ気ないのにダサくない現地の“当たり前”がしっかりと再現されてるのだ。そんなこともあって、この正式名称“ルノー・グランカングー クルール”は、何だか「5人乗りのカングーよりもスタイリッシュかも」なんて感じたりもする。

 そう感じるもっとも大きな理由は、けれどやっぱり5人乗りより全長を420mm、ホイールベースを390mm伸ばした車体の、見るからに伸びやかな佇まいにあるだろう。車体のBピラーより後ろを設計し直してスライドドアを拡大し、開口部を+180mmの830mmとしたことも、その“綺麗な長さ”を生み出すのに一役買ってると思う。

 もちろんスライドドア拡大の最大の目的は、乗降性を確保すること。それは直接的なライバルといえるシトロエン・ベルランゴやプジョー・リフターに対するアドバンテージでもある。3列7座のシートはすべてが独立していて、2列目も3列目もそれぞれ前後に130mmスライドさせられるうえ、折りたたみも跳ね上げも取り外しも可能。そのため3列目へのアクセス性もじつに良好だ。世の男性諸氏が女性を積極的に3列目へと追いやるようなことはないだろうけど、それでも2列目のシートをまたぎ超えるようなアクロバティックな乗り込み方を女性に強いずにいられる前提というのはありがたい。

 3つの列のすべてのシートに座ってみたのだけど、いずれも座り心地はいい。オマケ扱いされがちな3列目も2列目に負けてない。全席、膝まわりや頭まわりなどのスペースも充分納得のいくレベル。1024通りという自由自在なシートアレンジを活かして調整をやりくりすれば、それなりに体格のいい人が3列目に座ったとしてもそこそこ快適に過ごすことができるだろう。

 2列目と3列目を取り外せば荷室が最大3050リットルまで拡張できることもあって、実際に暮らしのなかに組み込んでみたら、自由度の高い使い勝手のよさに満足感を得られること多々となりそう。まさに“マルチパーパスなヴィークル=MPV”なのだ。


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嶋田智之 SHIMADA TOMOYUKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
2001年式アルファロメオ166/1970年式フィアット500L
趣味
クルマで走ること、本を読むこと
好きな有名人
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