トラックドライバーを守ることも仕事のひとつ! 「トラック・物流Gメン」の悪を逃さない仕事の中身

この記事をまとめると

■国土交通省には「トラック・物流Gメン」という組織が存在する

■トラック業界全体を監視して問題点の改善要請や是正勧告などを行っている

■存在を認知してもらうための活動なども行っている

「トラック・物流Gメン」の活動内容とは

 2022年〜2023年あたりから「物流の2024年問題」がトラック業界の課題として議論されるようになり、荷主と運送業者・ドライバーの力関係による賃金の低下や過酷な労働環境が明るみに出るようになった。その対策として2023年に「トラックGメン」として創設され、2024年11月から現在の名称に改称、組織も拡充され、悪質な荷主や元請け事業者などの是正を行っているのが国土交通省の「トラック・物流Gメン」だ。

 現在は全国で360名の専従職員が業界全体を監視、長時間の荷待ちや付帯業務の強制、運賃・料金の不当な据え置きやダンピングなど問題を起こした荷主たちには、「働きかけ」「要請」「勧告・公表」の3段階で是正指導を行い、物流業界の適正化を進めている。ちなみに「働きかけ」とは荷主に対する文書の発出で、「要請」は文書発出とヒアリングを行う。「勧告・公表」は働きかけや要請に応じなかった業者に対して発出されるもっとも重い処置で、国交省本省の権限で発出されるものだ。改善のない企業はその社名が公表され、新聞などの報道により一般にも周知されることとなる。

 そんなトラック・物流Gメンが2025年末に「集中監視月間」を実施。近畿運輸局が、管内の同組織の取り組みを発表した。この発表によると近畿運輸局のトラック・物流Gメンは、管内の217の荷主や30のトラック事業者をパトロール訪問し(荷主等パトロール事業者訪問)、働きかけ43件(荷主19/元請け21/その他3)、要請2件(荷主2)と、合計45件の法的措置を行なった。この数字は前回より20増となっている。

 荷主パトロールでは、近畿運輸局管内に本社のある荷主28社を訪問。6月に施行された改正トラック法の説明を実施するとともに、各社に現状のヒアリングと違反原因行為の啓発を行った。

 また11月25日には、公正取引委員会と合同でアポなしの荷主パトロールを実施。長時間の荷待ちなどの情報が寄せられている荷主企業など11社を訪問し、荷待ち改善に向けた取り組みのヒアリングを行い、各社を啓発指導した。さらに管内のSAや道の駅などでトラックドライバーにヒアリングも実施。違反原因行為を行っている疑いのある荷主などの情報を収集したほか、262枚のビラを配布してGメンの活動をPRした。

 また中部運輸局と中国運輸局とも合同で、荷主パトロールを実施。Gメン活動の周知や物流課題に対する理解を深めるため、関西学院大学での出前講座も行った。さらに京都府労働局とも合同説明会を実施するなど、地方自治体や他省庁との連携で情報の収集や活動の紹介して、トラック・物流Gメンの活動をより広める取り組みも行った。

 近畿運輸局のみならず、関東運輸局など他地域の管内でもトラック・物流Gメンによる「集中監視月間」を実施。関東運輸局では荷主などの業者130社に是正指導を行い、中国運輸局では荷主2社に要請、働きかけ37件を実施している。

 2024年問題の表面化と昨年のトラック新法の可決・施行により、荷主と運送業者間の適切な取引に向けた取り組みと、トラックドライバーの労働環境の改善が、より具体的・積極的に進んでいくことを期待したい。


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