ジムカーナといえばMT……なんて時代じゃない! 超有名ドライバーが力を入れる「AT+電動駐車ブレーキ」カテゴリーがいま激熱だった (2/2ページ)

改造してなくても楽しめるのが魅力

 そして、前述のとおり、2026年はクラス区分が再編かつ細分化されたことで、実質的な2ペダル車両クラスが活況を迎えているが、なかでもPE1クラスは車種ラインアップが多彩である。同クラスは改造範囲が狭く、ホイールとタイヤ、ブレーキパッド、バケットシートを除けば、ほぼノーマルの状態となっているが、「ここ数年は地方選手権に参戦していたんですけど、思い切って32年ぶりに全日本選手権に参戦しました。電気アシストのパワーがあって楽しいです」とプリウスで同クラスに参戦する鎌田 孝選手はコメント。

 さらに、PN4クラスのGRヤリスからシビック・タイプRにスイッチした折茂紀彦選手も「シビックはもちろん、3ペダル車両でのジムカーナも初めてですが、ヒール・アンド・トウをしなくても回転数は上がってくれるので、わりと自然にドライビングできています。改造費もかからないので、PE1クラスは魅力的ですね」と語れば、注目のEVモデル、MINI JCW Eで参戦する野島俊哉選手も「むちゃくちゃ楽しいです。アクセルのレスポンスに対してラグがないので、トルクが下から一気に出てくれるし、回生ブレーキも強めなので走りやすい。ドライビングとしてはアクセルとブレーキ、ステアリングだけなのでクルマの動きに集中できますね」と、その魅力を語っている。

 もちろん、スーパーカー級のクルマを筆頭に争われるPE2クラスでは山野哲也選手や大橋政哉選手など昨年の上位ランカーを中心に激しいバトルが展開されるほか、PN ATクラスでは河本選手がCP2の活動を継続。さらにMINIが多数エントリーするなど、2ペダル車両が各クラスで活躍中だ。

 2ペダル車両クラスの企画立案から関わり、自身もアルピーヌA110SでPE2クラスに挑む山野選手によれば「2ペダルクラスとして進展はしていますが、現在のクルマの99%が2ペダルになっているので、それを考えるとジムカーナみたいな手軽なモータースポーツでは、まだ2ペダル車両の普及は遅れていると思います。たとえば、スーパーGTの車両はすべて2ペダルなので、ジムカーナでも5割が2ペダルになっていることが理想的ですね。最近は2ペダルに加えて、電動式駐車ブレーキが増えていますが、ジムカーナは最終的にタイヤと路面のグリップをコントロールする競技なので、ジムカーナの経験者でも十分に楽しめるかと。世の中的にEVも増えてきているので、今後はもっと2ペダル車両が増えてくるでしょう。2030年には参加台数の8割が2ペダル車両になっていることを望みたいですね」と語る。

 同じく黎明期から2ペダル車両クラスにかかわり、CP2を設立して自身もマスタードライバーとしてスバルBRZを武器にPN ATクラスに参戦している河本選手も「2ペダル車両クラスが設立されたとき、山野選手が参戦するような“お金もち系のクルマ”が増えるとことは予想されていたんですけど、300万円の庶民的なクルマに関してはMTがありますからね。わざわざ2ペダルを買うオーナーは少ないので、台数は増えないと思っていました。しかし、2025年に2ペダルのMINIクーパーが活躍したことで、2026年のPN ATクラスではMINIが急増したし、まだまだ輸入車にはMTの括りでは活躍できないけれど、2ペダルなら高いポテンシャルを発揮できるクルマもあると思うのでPN ATクラスも参加台数がどんどん増えてくると思います」と分析する。

 さらに「最近の2ペダルは本当に速くなっています。2023年の北海道で僕はATのBRZで参戦していたんですけど、MTクラスだったら4位に入るタイムでした。しかも、上位3台はMTのロードスターだったことから、86/BRZではMTを抑えてATの僕がトップでした。つまり、コース設定によってはATが速いんです。2ペダル車両は進化しています。僕たちが活躍すれば、2ペダル車両での競技参加に躊躇しているオーナーも参加してくれと思いますので、いろんな車種が参戦してくれるように頑張りたい」と河本選手は付け加える。

 このようにジムカーナの国内最高峰シリーズでは、2ペダル車両クラスが著しい発展を遂げているだけに、ラリーやダートトライアル以上に、多彩な車種を集める人気カテゴリーになる可能性が高くなっている。

 なお、開幕戦の筑波ラウンドでは、シビック・タイプRを駆る折茂選手がPE1クラス、アルピーヌ110Rのステアリングを握る山野選手がPE2クラス、CP2のマスタードライバーとしてロードスターを駆る黒水泰峻選手がPN ATクラスで勝利を飾っている。


この記事の画像ギャラリー

廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

愛車
スバル・フォレスター
趣味
登山
好きな有名人
石田ゆり子

新着情報