この記事をまとめると
■デザインを専門とするライターが歴代名車のベストデザインを選定
■スバルではインプレッサシリーズの初代モデルを挙げた
■WRXでなくともスポーティな佇まいとなっている点が魅力だ
歴代モデルNo.1デザインは初代!
長寿モデルをはじめ、何代かに渡って販売されるモデルはそれぞれの時代を反映させたコンセプトが盛り込まれており、もちろんそれはスタイリングにもいえること。そこで、そんな各歴代のなかからあえてベストデザインを選んでみるのがこの企画です。何しろ個人的な意見ゆえ、苦情反論は受け付けませんので悪しからず(笑)。
●軽快さと骨太感の融合
本シリーズ10回目となる今回取り上げるのは、スバルのインプレッサです。比較的新しいモデルという印象がありますが、それでも30年以上、6代目まで続いているスバルの基幹モデル。世代によりそれぞれ大きな特徴をもった同車ですが、今回は1992年発売の初代をベストデザインにしたいと思います。
で、その初代のデザインコンセプトは水鳥が飛ぶシルエットをイメージした「フローティングライン」。そこからイメージされるのは文字どおり流れるようなフォルムですが、同時にテーマとしたのが「骨太感」で、この相反するような要素の融合が初代の特徴といえそうです。
スバル・インプレッサ(初代)画像はこちら
たとえば、スバルらしいサッシュレスドアを用いたサイドウインドウや、大きくラウンドしたリヤガラスは明るさや軽快さを打ち出していますが、太く力感のあるリヤピラーがキャビンを強く引き締めています。
また、前後ブリスターを溶け込ませた豊かなショルダーラインはまさに骨太感を反映させており、ドア面の厚さを感じさせるもの。一方で、スポーツワゴンのリヤピラーは白鳥の羽のようなエレガントな美しさを感じさせ、その対比がじつにユニークです。
インプレッサ・スポーツワゴン(初代)画像はこちら
●標準車にこそ感じられる造形の意図
インテリアも、たとえばインパネのレイアウト自体はオーソドックスですが、一体成型のパットによる造形はじつに骨太なイメージを感じさせるもの。これは、シートにも同様のことがいえるところです。
もともと、インプレッサといえば話題の中心はスポーティなWRXに偏りがち。とくに初代の標準グレードは、グリルレス風のシンプルなフロントフェイスや、水平基調のスッキリとしたサイド面などから、地味で見立たない存在と思われているようです。
インプレッサ・スポーツワゴン(初代)画像はこちら
しかし、これはデザインチームの「ボディをフォルムで語る」意図が明快に反映されている証であり、シンプルでカタマリ感に溢れるボディは極めてクオリティの高い造形であるといえます。とりわけスポーツワゴンの軽快なプロポーションは、ある意味WRX以上にスポーティとさえいえるでしょう。
全長4350mmという、当時のカローラやサニーより大きく、コロナやブルーバードより小さいという絶妙なサイズもまた、その骨太感やカタマリ感を強く感じさせる要因なのかもしれません。