この記事をまとめると
■納期が長いモデルは納車直後にマイナーチェンジが発表される場合がある
■マイナーチェンジを受ける車両はクレームが出ないように早めに受注を止める場合がある
■報道発表を行わない改良「ランニングチェンジ」という手法も存在する
納車直後にマイナーチェンジで新型に! 補償は……?
新車を買うときに心配なのが「納車された直後に、マイナーチェンジや改良をしないだろうな」ということだろう。せっかく新車を買ったのに、スグに改良されたら困る。
とくに最近は、契約してから納車されるまでの納期が長い車種が増えた。たとえばマイナーチェンジを10カ月後に控える車種の納期が9カ月後だった場合、納車された翌月には、マイナーチェンジされてしまう。
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しかしこのような事態が現実に発生したとき、メーカーや販売会社からとくに補償は受けられない。車両の売買契約は正しく成立して、契約内容に沿った商品が既に納車されているからだ。カタログやウエブサイトにも「掲載内容は予告なく変更することがあります」と明記されている。
そして仮に何らかの補償をするとしても、改良時期の線引きが難しい。納車から1週間以内の改良なら補償の対象に入るのか、あるいは1カ月後までか、それとも2カ月後か。
そこでクルマを購入するなら、今後の改良の有無を販売店に尋ねるべきだが、販売店では「細かな改良は、実施直前にメーカーから知らされることもある」という。
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ただし販売店によると、「最近はなんらかの変更が行われる場合、その内容はわからなくても、受注を止めることが増えた」という話も聞かれる。一度受注を止めて、そのあとに改めてマイナーチェンジや改良を受けた車両の受注を開始するから、販売店では受注の停止によって「この車種は今後、なにかが変わる」とわかる。それはユーザーにも伝えられる。
また納期が長い車種で受注を止めない場合、一定の日付を境に、改良版の受注を開始することもある。販売店では「来週から改良版の受注を開始する。改良版は安全装備が充実するかわりに値上げされる。今週で受注を締め切る従来型なら、価格が安く、値引きも少し増える」という具合だ。
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車両全体を作り変えるフルモデルチェンジは、今はある程度の情報が事前に公開される。従来型の受注も数カ月前に停止するから「納車の翌日に突然フルモデルチェンジされた」という状況は考えにくい。
そしてユーザーにとってもっとも心配な変更は、「ランニングチェンジ」だ。これは報道発表を行わない改良のこと。新型車を発売後、たとえば乗り心地などにユーザーから不満が寄せられ、公表をせずに変更を加えることがある。ランニングチェンジを実施すると、車種やグレード、価格などがすべて同じでも、昨日と今日では納車された車両に違いが生じている。
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たとえばマイナーチェンジされた車両の報道試乗会で、乗り心地、ステアリングの操舵感、走行安定性などが、改良前と変わっていることがある。そのことが報道資料には書かれていないため「安全装備だけでなく、足まわりのセッティングも変えましたよね」と開発者に尋ねると「足まわりは発売後に(公表しないランニングチェンジで)改良したから、今回は変えていない」と返答されることがある。
以上のように、メーカーの製造するクルマは頻繁に変化している。経験的にいえば、フルモデルチェンジや新規投入を行ってから1年以内の車種、とくにプラットフォームなどの基本部分を刷新した車種は、ランニングチェンジを行うことが多い。大幅に作り変えた場合、開発過程で拾い切れなかった粗さもあり、修正も必要になるからだ。