特定メーカーにとどまらず展開
ここまで紹介してきたヤマハ発動機の手が入ったトヨタエンジンには、いずれもハイフンのあとに「G」というアルファベットが入っている。そのため、クルマ好きのなかには「トヨタエンジンで”G”がついているのはヤマハ発動機がかかわっている証」と思っている人もいるようだが、そうとはいえない。ハイフンの後ろのGは、あくまでもスポーツツインカムという位置づけを示すものであって、ヤマハ発動機とのかかわりを示すものとはいえない。
実際、トヨタの歴代最強エンジンといわれる3リッター直列6気筒ターボエンジン「2JZ-GTE」はトヨタのオリジナル設計とされている。また、トヨタのスポーツツインカムではもっとも有名なエンジン型式「4A-G」についてもヤマハ発動機がかかわったという公式なアナウンスはなかったりする。
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また、ヤマハ発動機の四輪用エンジンはトヨタの専属というわけでもない。
1980年代後半には、フォード・トーラスの3リッターV型6気筒エンジン「K0A」の開発・生産を担当している。そのほかフォード向けとしてはバンク角60度の3.4リッターV型8気筒エンジン「K0C」や、1.7リッター直列4気筒エンジン「K1C」を供給した実績がある。
2000年代にはボルボとの共同プロジェクトもあった。当時のフラッグシップであるXC90に追加された4.4リッターV型8気筒エンジン「B8444S」は、ヤマハ発動機により生産されたもので、横置きを前提としたエンジンベイに収まるコンパクトなV8エンジンとして印象深い。
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このように、長年にわたり高性能エンジンの開発や生産にかかわってきたヤマハ発動機。F1のエンジンサプライヤーとしてV12も開発していた過去を思えば、四輪用エンジンのスペシャリストであることは当然といえるが、直4からV10エンジン、ツインターボから高回転NAまでと、想像以上に多彩なエンジンを開発してきたことには、あらためて驚かされる。