この記事をまとめると
■イラン攻撃で中東情勢が緊迫し燃料市場に影響を与えている
■日本は海外への原油依存度の高さから価格上昇が顕著だ
■燃料高騰は交通や経済全体へ波及する可能性もある
戦火が揺らす燃料価格
2026年2月28日にアメリカとイスラエルがイランへの攻撃を開始した。直前にはアメリカの空母が中東地域に集結するなど、「攻撃は秒読み段階」ともいわれていた。攻撃されたイランがアメリカの軍関係施設を標的にしたとしているが、UAEなど多くの中東諸国への反撃を行い、「第五次中東戦争勃発か」などとまさに世界中が騒然としている。
中東戦争というキーワードが飛び交うと気になるのがガソリン価格の高騰だろう。2026年3月12日(イランへの攻撃から約2週間経過)の段階で調べると、AAA(アメリカ自動車協会)発表による1ガロン(約3.78リットル)あたりの全米平均ガソリン価格は3.578ドル(約572円/1リットルあたり約151円)となっていた。
アメリカでのガソリン価格画像はこちら
州別での平均価格で最安値はカンザス州で1ガロンあたり3.008ドル(約481円/1リットルあたり約127円)となっていた。なにか起こるとたちまち1ガロンあたり10ドルほどになってしまうカリフォルニア州では、すでにパニック的な価格になっているかと思いきや、1ガロンあたり5.336ドル(約853ドル/1リットルあたり約225円)となっていて少々拍子抜けしてしまった(他州よりはかなり高いが、カリフォルニア州では驚くべき価格でもない)。
トランプ大統領自身が「アメリカについては原油供給のためにホルムズ海峡通過を必要としていない」というようなコメント(中東依存が極めて少ない)を発しているので、それもあるのかと思い、ふたたび2026年3月17日に調べてみると、全米平均では1ガロン当たり3.718ドル(594円/1リットルあたり約157円)と微増程度となっていた。州別最安値はカンザスで変わらず、1ガロンあたり3.148ドル(約503円/1リットルあたり約133円)、そしてカリフォルニア州は1ガロンあたり5.526ドル(約884円/1リットルあたり約233円)となっていた。
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日本では、イラン攻撃開始当初の3月1日でのレギュラーガソリンの1リットルあたりの全国平均価格は155.2円だったものの、3月15日には182.8円と急騰している。中東依存度95%とされる日本なので、アメリカと比べるとガソリン価格上昇スピードが段違いに速くなっているように見える(マスメディアが「大変だ」と煽りすぎているのも値上げを助長しているともいわれているが……)。
とはいえ、日本の原油備蓄量は相当なもののようで、日本ほど備蓄していない国々では時短勤務の奨励(電気などの節約)やガソリンの配給制度が視野に入っていたり、ロシア産原油の輸入に望みをつなぐなど、日本の一歩先をいくかのようなパニック状態にあるようだ。興味深いのは新車販売におけるBEVやPHEVの販売比率が5割を超えているとされる中国において、とくにBEVなどが普及している沿岸部を中心とした大都市のガソリンスタンドに給油待ちの長蛇の列ができているとの情報もあるようだ。