運転手付きで乗るショーファーなのにクーペってどういう用途? センチュリークーペが目指すものとは (2/2ページ)

スーパーカーは無理な家庭でもセンチュリーならアリか

 そこでレクサスよりも長い歴史に支えられたセンチュリーをブランド化するわけだ。わかりやすい展開として、伝統あるセンチュリーセダンの次は、車内の広いSUVスタイルを発売して、ジャパンモビリティショーではクーペを披露した。

 センチュリークーペの特徴は、開発者によると「センチュリーだから、クーペでも(職業ドライバーが運転する)ショーファードリブンになること」だ。

 ロールスロイスにもクーペはあるが、これは日常的にロールスロイスのセダンの後席に座るオーナーが、休日に運転するためのドライバーズカーだ。それがセンチュリークーペはショーファードリブンだから、オーナーが助手席に座り、後席を大きく後方へスライドさせて足もと空間を拡大できる。

 この価値観は、日本では通用するかも知れないが、階級社会の根付く海外ではどうだろうか。とくに自動車を育てた国は、1900年ごろのクルマも知っている。当時の助手席は文字どおり、まさに運転手の助手が座る座席で、道案内や前方の安全確認などを行った。その場所に高級車のオーナーが座るとなれば、海外では失笑の対象になりかねない。

 センチュリークーペの現実的な販売地域は、やはり日本だろう。「フェラーリが欲しい!」と奥さんにいうと「ダメよ!」と断られる。「それならセンチュリークーペは? クーペだけど、キミの座る助手席がこんなに快適なんだよ」。そうしたら「あら、いいわね、買いましょう」となる可能性は高い。

 つまりセンチュリークーペは、日本のイマドキの裕福なダンナに、夢と希望を与えるクルマなのだ。


この記事の画像ギャラリー

渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2026-2027日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
-

新着情報