空力と足まわりのアップデートだけでタイムを7秒短縮
この強烈なダウンフォースを支える足まわりも、当然マンタイレーシング謹製。レースの世界ではお馴染みのネジ式による調整式サスペンション(いわゆる車高調)になっており、ショックアブソーバはすべてアルミニウム製で、4段階の減衰力調整が可能となっている。減衰力調整は低速・高速の圧縮・伸側ともに工具なしで調整できる。標準車と比較して、スプリングレートも見直されているが、ターゲットはやはりサーキットユースだという。
ポルシェ 911GT3 マンタイキット装着車画像はこちら
「ポルシェのブレーキは世界イチ」といわれるほど優秀だが、「マンタイキット」に含まれるブレーキラインはさらにその上をいく中身だ。スチールシートのブレーキラインキットを導入し、よりダイレクトなペダルフィードバックを提供し、より素早い反応を可能としている。ブレーキパッドも専用品となり、サーキット走行用にフェード特性、レスポンス特性、モジュレーションを向上。広い温度範囲で一貫して安定した摩擦特性と、ディスクアタックの少ない優れた摩耗特性が特徴となっている。
専用ホイールはマンタイレーシングが開発した軽量品で、車重とは別で加わるこの半端じゃないダウンフォースにも余裕で耐える鍛造モデルとなる。標準のGT3用ホイールと比較して4本で6kgの軽量化につながるとのことだ。カラーは3色用意される。タイヤはハイダウンフォース専用品である、ミシュラン・カップ2Rが採用される。
ポルシェ 911GT3 マンタイキット装着車画像はこちら
また、イルミネーションなどのちょっとしたアクセサリー関係のオプションも付属する。マンタイレーシングの名を冠しているが、ポルシェ純正オプションとなるので、ディーラーでの取り付けはもちろん、保証があるのも嬉しい。
では、どのくらいの効果があるのか。実際ニュルブルクリンクで通常の911GT3と比較すると、キット非装着車のタイムが6分59秒927に対し、マンタイキット装着車は6分52秒981と、なんと7秒ものタイム短縮に貢献している。エンジン関係のプランはないので、空力と軽量化でここまで底上げができてしまうことに驚きだ。開発には1年以上、数千キロの走行テストと風洞実験も行っているとのことだ。余談だが、GT3のさらに上にあるGT3RSは、現行型で6分49秒328というタイムをマークしている。
ポルシェ 911GT3 マンタイキット装着車画像はこちら
さて、気になるこのマンタイキットの価格であるが、車両1台分でなんと940万8300円と、高級車1台ほどの価格となっている。911GT3の新車価格が2868万円なので、このキットを加えると、911GT3RSの新車価格3378万円を優に超える計算に。
とはいえ、911GT3RSは非常に硬い足まわりに、快適性もいくつか犠牲にしているスパルタンモデル。まだ快適性が残されている911GT3にこのキットを組んだほうが、「サーキットもドライブもこなせる究極のポルシェ」として扱えるだろう。それと、これは個人的な意見だが、「マンタイキット」を組んでいるほうが”ツウ”に見える気がする。また一説には、こういったポルシェ純正キットがついたクルマは付加価値がつきやすいそうなので、リセール面でも有利なんだとか。
ポルシェ 911GT3 マンタイキット装着車画像はこちら
「マンタイキット」は、最強の911GT3を作り上げる最後のピースといえそうだ。