プロ中のプロが絶賛する人はやはり成績もピカイチ D’station Racingの47号車「D’station Porsche 992」でST-1クラスに参戦する田中哲也選手は、「先輩なら長谷見昌弘選手です。マシンのコントロールもすごいですけれど、長谷見選手はどんなにコンディションが悪くてもピットでは平然としていました。周囲を不安にさせない立ち振る舞いなどが、本当にすごいと思いましたね。若手ドライバーでは佐藤琢磨選手です。僕は鈴鹿のレーシングスクールで講師をしていたので、いろんな選手を見てきましたが、自分の夢を実現していくための行動力はズバ抜けていました。自分はこうなりたい、そのためにはどうしたらいいのか、といった考える力もすごかった」と語る。
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一方、日本自動車大学校の72号車「OHLINS CIVIC NATS」でST-2クラスに挑む山野哲也選手は、「僕がレースを始めた20代の頃にすごいと思ったのは横島 久選手です。N1レースや筑波のナイター耐久などに同じシビックで参戦していたんですけど、めちゃくちゃ丁寧でスムースなドライビングで速かった。運転の真髄はこういうところにあるんじゃないかと衝撃を受けた選手で、かなり影響を受けました」と往年のドライバーを選出している。
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さらに現役ドライバーについて山野選手は、「同じ基準なんですけど、谷口信輝選手もスムースなドライビングでクルマに負荷をかけていません。常に余裕があるし、あとはアイディアがいい。ライン取りなどでも、ほかの人がやっていないことにトライしたりしていて、そういったアプローチの仕方がちょっと僕に似ていると勝手に思っています」と分析する。
そしてAutoLaboの290号車「AutoLabo Racing SWIFT Sport」でST-4クラスに挑む伊藤大輔選手は、「印象に残っているのが竹内浩典選手です。当時、GTでは僕がNSXに乗っていて、竹内選手はスープラに乗っていたんですけど、SUGOの1コーナーでインを突いたとき、竹内選手は1車分スペースを残してくれて、並んだままコーナーに入ってくれました。結果的に僕が前に出ることができたけれど、クリーンなバトルをしてくれた。そのシーズン、たしか竹内選手はGT500クラスでチャンピオンを獲得するんですけど、そういったリスクを避けてポイントを取ることの重要性が勉強になりました」と語る。
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現役ドライバーについて伊藤選手は、「間近で見ていることもあるんですけど、現役ドライバーの中では坪井 翔選手がすごいと思います。クルマの状況を言葉で説明することは難しいんですけど、坪井選手は簡潔にわかりやすく表現してくれる。あとはレースウィークにクルマが完璧に仕上がることはあまりないんですけど、妥協したセットアップのなかでも、きちんとまとめてくれる上手さもある。同じチームだからこそ、そういった部分のパフォーマンスがわかります」と分析してくれた。
このように、同じプロドライバーだからこそチームメイトやライバルたちの実力を深く把握することが可能であり、そこにはプロドライバーが理想とする究極の姿が隠されている。