【試乗】劇的進化ではないが確実によくなっている! ステアリング形状まで変えた「26式GRヤリス」を公道で試した (1/2ページ)

この記事をまとめると

GRヤリスが26式へとアップデートされた

■ステアリングと足まわりがさらに熟成されて装備の見直しが図られた

■「モリゾウRR」「セバスチャン・オジェ9xワールドチャンピオンエディション」も登場

年次改良で走りがさらなる高みへ

 2020年の発売以来、改良を重ねてきたGRヤリス。かなり大がかりな改良が施された24式以降は、25式、そして今回の26式とイヤーモデルのようなカタチで毎年進化している。26式でもモータースポーツから得た知見をフィードバックさせ、「ステリアング」「電動パワーステアリング(EPS)」「タイヤ/足まわり」「快適装備」が見直された。

 ステアリングの正しい握り方は、「脇を締め、親指の腹で軽く押すように握る」こと。ところが従来のGRヤリスでは、そのように握るとステアリングスイッチが手に当たり、とくにサーキット走行中に意図せずスイッチを押してしまうというケースも見られた。

 26式では、スイッチの配置を変えることで誤操作を抑制。また、左右グリップ形状を最適化した。親指の腹が当たるところがパッドのようになっていて手のおさまりがよく、ステア操作時にもフィットする。さらに、ステアリングホイールを小径化することで操作レスポンスも向上している。

 一方、物理的なステアリングだけでなく、EPSのソフトウェア制御も変更されている。ノーマル/エコモードでは操舵力を25式よりも軽くし、スッキリとした操舵フィーリングになっている。日常シーンで扱いやすく、個人的にはワインディングでもこれで十分な印象。

 スポーツモードにするとかなりずっしりとした手応えと重さを感じる。というのも、サーキットの限界域で走行中にカウンターステアを当てるようなシーンでは、ある程度重さがあるほうがコントロールしやすいからだ。

 また、サーキット走行やレースシーンからのフィードバックとして、ハイグリップタイヤや標準よりオーバーサイズのタイヤを装着した場合の高負荷でのコーナリング時にもアシスト切れを起こさないよう、制御が見直されている。

 ちなみに、MTとDATで大きな差はないが、若干MTのほうが操舵力が軽く、ワインディングでも軽快感が感じられた。ドライバーはステアリングを介してクルマの動きを感じ取るため、ドライビングにおいて操舵力やステアフィールは重要な要素となるが、GRヤリスの開発においても強いこだわりが感じられる。

 3つ目の変更点として挙げられるのがタイヤ。今回RZ”High Performance”(Aero Performance package含む)に「ブリヂストンPOTENZA RACE」が標準装着された。おもな理由として、車外騒音の低減と、限界領域でのコントロール性、摩耗性への対応が挙げられる。

 最後の「快適装備」は、縦引きパーキングブレーキに関するオプション仕様の見直し。そもそも縦引きパーキングブレーキは、ラリーやジムカーナなど、モータースポーツシーンでの限定的な使用を想定して設定されたものだった。なので、ナビまたはコンフォートパッケージ選択時、シートヒーターとステアリングヒーターを装着できなかった。競技には必要ないとの認識からだ。

 ところが、一般ユーザーにも評判がよく、デイリーユースで選択する人も多いそう。となると、快適装備は欲しくなる。で、26式では縦引きパーキングブレーキ選択時でもシートヒーターとステアリングヒーター装着が可能となった。

 今回は残念ながら限界領域の確認はできなかったが、公道で乗り味をチェックしてみた。

 走り出しの印象では、乗り心地がよくなったように感じられた。路面条件にもよるが、50〜60km/h以下での走行時、細かい入力に対しては滑らかにいなし尖った感じがなく、ロードノイズも小さくなっている。一方、路面の段差など大きな入力に対してはキツイ入力がみられた。ワインディングではレスポンスがよく、クルマの軽快感にマッチしていた。

 冒頭にも書いたが、GRヤリスは年次で改善しているため、ドラスティックな印象の変化はない。が、モータースポーツからのフィードバックやプロドライバーの評価を取り入れつつ、ディテールにこだわり着実に進化を遂げていた。そして、その歩みは今後もまだまだ止まらないだろう。


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