この記事をまとめると
■日本には外交ナンバーというナンバーが存在する
■外交ナンバーは外交特権が適用されるので民事訴訟は難しい
■万が一外交ナンバーのクルマと事故に遭っても警察を呼び保険会社の連絡がマストだ
外交ナンバーの真実
都心の公道を走っていると時おり見かける、青地に白文字のナンバープレート。通称「外交官ナンバー(外ナンバー)」だ。高級セダンやSUVに装着されたそのプレートは、どこか威厳を感じさせる一方で、ベテランドライバーの間では「かかわらないのが一番」と格言のように語り継がれている。
なぜ外交官ナンバーは「危険」とされているのかといえば、そこにはウィーン外交関係条約に基づく強大な特権、すなわち治外法権(外交特権)が横たわっているからだ。この記事では通称外交官ナンバーにおける4つの区分と、万一接触事故を起こしてしまった際の現実的な防衛策を解説する。
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一般のナンバープレートが国土交通省の管轄であるのに対し、いわゆる外交官ナンバーは外務省が発行・管理している。その種類は、プレートの先頭文字によって以下の4つに分類される。
①:「外」ナンバー(青地に白文字)
「外」と記載の後にナンバーがくるプレートは、大使館職員の公用車。大使館職員の公務に使われる車両であることを表している
②:「○の中に外」ナンバー(青地に白文字)
「外」の文字が○で囲まれているものは、その大使館のトップである「特命全権大使」本人が乗る公用車であることを示している
③:「領」ナンバー(白地に青文字)
「領事館」が使用する車両に交付されるナンバー。ちなみに大使館と領事館の違いは、大使館が相手国と外交業務を行う機関であるのに対し、領事館は自国民に行政的支援を提供する機関だ
④:「代」ナンバー(青地に白文字)
外国政府代表部や国際機関の職員が使用する車両のナンバー
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これらのナンバーを付けている車両との事故が恐れられるのは、彼らがもつ外交特権の内容にある。1961年に採択されたウィーン外交関係条約により、外交官やその家族、および公用車には以下の特権が認められているのだ。
・裁判権からの免除:日本の刑事裁判や民事裁判が原則として適用されない
・不可侵権:公用車は「大使館の敷地の延長」とみなされ、日本の警察であっても強制的な捜索や押収を行うことができない
つまり、いわゆる外交官ナンバーを付けている車両が速度超過や駐停車違反をしても、警察は反則切符を切ることができず(切符を切ること自体はできるのだが、反則金が納められなかったとしても、結局は対応できない)、重大な人身事故を起こしたとしても、加害者が日本の法律で裁かれない事態も起こり得る。
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つまり、もしもあなたが運転中に外交官ナンバーの車と接触事故を起こしてしまったとしたら、仮に相手側が100%悪かったとしても、通常の事故のようにスムースに解決できるとは限らないわけだ。